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芹生くんを送り出して、俺も部屋を出た。 背伸びをしながら階段を降りたところで、思わず足を止める。 「え…なん、で………」 心なしか不機嫌そうにガードレールへ腰掛けているのは。 「……どうも」 出来れば今、一番会いたくなかった人。 踵を返して室内に戻りたくなる気持ちを叱咤しつつ、歩みを進めた。 「…随分とお楽しみだったみたいで」 ちらりと動いた視線を辿って、流石に何も言い返せないと押し黙る。 「芹生には手出さないでもらえますか」 突然、強い口調でそう告げられ。客観的に見ればそう捉えられると分かっていても、実際に言われるとこの上なく虚しい。 芹生くんは彼にとって大事な友達で。 それは分かっている。だけど、無性に腹が立った。 「……お前には関係ない」 喉の奥がツンとして、思わず拳を握る。睨みつけた目の前の相手は、深く息を吐き出した後、静かに俺を見据えた。 「誰でも良いんだろ。なら俺が相手になりますから」 鈍器で打たれたような衝撃。そんな風に思われていたのか、と。 ただただ唇を噛み締めるしかなかった。

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