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30.
顔を上げた彼の瞳を見た瞬間、ぞくりと背筋が寒くなった。
捕食対象を捉えたかのような目つき。きっと本人は気付いていないだろうけれど、心の奥底に秘めている本性は、あいつと似ている。
壁に背を預けて座る細田に跨るのは以前と同じ。膝で股間を刺激してやれば緩く芯を持ち始めているものが確認できて、思わず口元を歪めた。
「…もう半勃ちかよ」
「まあ、若いですから」
悪びれもせずに言い放つ瞬間、腕を引っ張られた。かくりと膝が折れて倒れ込む。
途端、首筋に噛み付かれ。甘い痺れが全身を駆け巡って、それだけで声を漏らしてしまいそうになる。
「自分だって勃たせてるくせに…」
お返しとばかりに股間をまさぐられて唇を噛んだ。手っ取り早く突っ込まれるより、こうした前戯の方がよほど恥ずかしい。
「…今日は慣らしといたから、早く挿れろ」
「えー、ムードなさすぎません?」
するりと衣服を剥ぎ取られ、一糸纏わぬ姿になった俺を見おろす表情はあくまで余裕。
黙って肩を押し、寝転がる体勢にさせる。深呼吸してから反対を向いた。
「…今日は最初だから、大人しく寝てても良いけど」
肩越しに振り返って絡めた視線は僅かに熱を帯びていて。最上級の色気を込めた双眸で射抜く。
「その代わり、次はちゃんと動けよ?」
俺が満足するように―――…と。
続いた言葉が届く途端、歪む口元を見た。
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