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7月。家に呼んだ細田は、記憶よりも少し痩せていて。最後に会った時よりも確実に月日の流れを感じてしまう。 「悪いな、わざわざ来てもらって」 「…いえ」 さて、どう切り出そうか。どこか諦めを含んだ様子の表情から察するに、悪い予想をしていると見た。 「あー…俺さ、記憶、戻ったんだわ」 とりあえず。拗れた関係はともかくとして、友達であるならば喜んでくれそうな話題を振った、のだが。 「……何で、思い出すんだよ…」 信じられないとばかりに瞠目する彼に、むしろこちらが驚いてしまった。 と、同時に。不安が再び首をもたげる。 「思い…出さない方が、よかった…?」 やっぱり勘違いだったのだろうか。 けれど。 俯きかけた俺の方に飛んできた声は、 「っ、そんなわけ、ないだろ!」 痛いほどの切実さを孕んでいて。 はっと顔を上げれば、ひどく歪められた相貌。 「好きな…ひとが、自分のこと忘れてるって……結構、思ってたより、キツかった…」 震える吐息の間で途切れ途切れに吐露された心情。 「…でも、っ…忘れたいぐらい嫌な思い出を、失って……幸せならそれで、って…」 掠れた語尾は、そのまま消える。顔を覆った彼も相当に苦しんだのだろう。 だから今度は、俺の番。 す、と息を吸った。

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