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何か思い出作りをしたい、と提案した俺に「キャンプへ行きましょう」と約束を取り付けてきた細田が笑った。 「晴れて良かったですね!」 笑う楓くんと、応えるルイ。柔らかな日差しの中で並ぶ2人は贔屓目抜きにお似合いだ。なんだかむずむずとして、思わず――― 「こーら、そこ!2人っきりの世界作るんじゃねえよー!」 大声を出してしまった。「まあまあ落ち着いて…」と細田にたしなめられるも、手にしたバケツを振り回したい衝動に駆られる。ルイに謝る細田の姿も保護者じみていて面白くない。 耳を寄せて内緒話を行う彼らに、改めて仲の良さを見せつけられた気がする。比較する訳では無いにしろ、素直になれない自分の性格を少し疎ましく感じる時があるのも事実で。 ため息を飲み込む俺の頭上から小さく降ってきた声。 「…あっちばっかり見ないで」 ぐい、と掴まれた顎。やや強引に向きを変えられ、驚きに瞬く。 「えっ……え、?」 まさか。あの細田が。嫉妬? 「……信じらんねえ」 思わず呟いた感想は相手に届いたらしい。小さく聞こえた舌打ちは照れ隠しだろうか。 「アンタね……夜、覚えとけよ」 短く言い捨てて去った背中を眺めながら。ひえ、と息を呑む。年下彼氏の厄介な部分を目覚めさせてしまったかもしれない。

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