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   仕事を終えたアルバは「お待たせしました。」と淑やかに言いながら、疲弊している真智雄の隣にちょこんと座った。 「アルバくん…今日君が売れたから、今から片付けを始めてくれ。」 「え……。」 「納品は明後日、俺と誠子さんでお客様の自宅まで送って行くから大丈夫だよ。」  不安そうに瞳が揺らぐアルバの背中を安心するように背中をポンポンと叩いて、肩をそっと抱いた。 「俺の初めての独り立ちの販売だけど、不安にならないで。お客様はアルバくんを一目見て気に入っていたから、きっと大切に扱ってくれる、ね?」 「真智雄さん……。」 (アルバくん、ここに来て3ヶ月、商品として陳列されたのはつい先週だったっけ?ちょっと箱入り息子的なところはあるけど、健気で優しい心の持ち主だから、きっと上手くやれるはずだ…。)  真智雄が「良かったね。」と笑うと、アルバは美しく笑った。 「ただ、少しだけ…心残りがあるんです。」 「ん?何?」 「真智雄さんがお好きだという、ラーメン?というものを食べてみたかったです。」 「……え?食べたことないの!?」 「はい…。」 (この子、ガチの箱入りボンボンなのか?)

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