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ⅩⅩⅠ *

 夕莉は「(シワ)になるから」と理仁に衣服を全て剥がされた。理仁のキングサイズのベッドに横たえられると、恥ずかしさからシルクの毛布をかぶった。 「隠すな…。」 「だって……恥ずかしい、です…。」  外はまだ暗闇、だがベッドサイドのランプで全てを晒してしまう。理仁はランプを消すと、自らも衣服を全て脱ぎ捨てた。 「ほら、私も何も着ていないし暗くした。夕莉、私に見せてくれないか?夕莉の全てを。」 (そんな風に優しくされて、お願いされてしまって、きかない人はいるのでしょうか?) 「理仁さまは、(ずる)いです。」 「狡くて結構……夕莉。」  優しく名前を呼ばれて夕莉が毛布から顔を出すと、理仁の美しい掌が夕莉の小さな輪郭を撫でて、2人の距離は近くなる。 「夕莉…。」 「理仁さま……ん。」  夕莉の小さな唇を理仁は優しく奪った。毛布ごと夕莉を抱きしめてシルクの滑らかな感触越しに夕莉の肌に理仁の優しい熱が伝わる。 「はぁ……ま、さ…ひと、さ……。」 「白い肌が紅くて…美しい…。」 「暗いのに……見えるのです、か?」 「ああ、とても綺麗だ…。」  もう一度、今度は情熱的な口付けを。夕莉も(つたな)くも応えた。口付けながらも与えられる温かな愛撫に夕莉は反応する。 「ん、ふぅ…んん……。」  呼吸も、声も、理仁に呑み込まれていく。それがとても愛おしい。 「あ……や…そこ、は…っ!」 「興奮したのか…。」 「も、申し訳…ござい、ませ…っ!あぁっ!」  夕莉の幼い性感帯は簡単なものだった。素直に反応した可愛らしいペニスを理仁は包み込むように握った。はしたない声に羞恥を覚えた夕莉は口を手で塞ぐ。だがそれも理仁に制された。 「この(やしき)には私と君だけだ…恥じることはない。」 「で、でも…ふあぁ……この、ような……こと…。」 (理仁さまは僕は男娼ではないと…ならばせめて慎ましやかにしていなければ…。) 「夕莉、君は男娼などではない……私の愛する夕莉だ…。」 「ま、さ…ひ…と……さまぁ…。」 「淫らな声も、可愛い()き声も全て愛おしい…隠さないでくれ。」 「は、はい…。」  夕莉は初めての快感に溺れそうになると理仁の腕を握った。夕莉の先端からしとどに透明が零れ始めて理仁は上下の刺激運動を一層と激しくした。 「あ、あ、あ、あ、や、だぁ、くる、のぉっ!」 「大丈夫、大丈夫だ…。」 「まさ、ひ、と、さ、まぁ…あ、も、あぁぁあっ!」  理仁の細長い手に夕莉の欲が塗れた。理仁はそれを厭らしく舐めとって味わう。そんな理仁の姿が艶っぽく。 「あ、あの…もうし、わけ…ありません……。」 「どうして?私の手を感じてくれたのだろう?」 「は、い……。」 「愛しているよ、夕莉。私のものになってくれるね?」  ベッドサイドに置かれていた香油をたらりと掌にまとうと、理仁の指は夕莉の未開の蕾に触れる。 「ひゃうっ!ま、理仁さま…そんなぁ…。」 「痛かったら言ってくれ…君を傷つけたくない。」  クプクプ、慎重に(ひら)かれてゆく夕莉は異物感が快感になる。  男娼として、ソコを使う慰みは知っていた。だが、どんな感触や圧迫なのかまでは未知で夕莉はただ戸惑う。 「力を抜いて…。」 「わ、わかり、ません…。」  震える夕莉の輪郭を撫でて、理仁は潤んでる夕莉の瞳を捕らえる。 「息を吐いて…。」 「ん…はぁ…あぁ…はあぁ…。」 「そうだ…。」  グプッ  隙を突かれて、指の根元が蕾の入り口についた。指先をクイッと曲げられると夕莉の身体は大きく震え、嬌声が出た。 「あぁあっ…そこ…やぁっ!」 「嫌か?どうして?」 「だ、ってぇ…あたま、へん…になって……はした、ない…。」  悦びの啼き声に羞恥を抱いた夕莉は顔を手で隠した。そんな姿さえ、愛おしい。 「可愛い…綺麗だ…はしたなくなどない…。」 「で、も…理仁さまぁ……そんなの…あ、あ、あぁ…。」  止まらない理仁による愛撫と開拓に熱のある呼吸と声が絶え間ない。理仁の綺麗な瞳は夕莉の痴態を逸らしてくれない。ゆるり、ゆるりと(ほぐ)され(ほだ)された夕莉に理仁は自身の熱を()てがった。 「夕莉。」 「は、い…。」 (ああ、僕は…僕はやっと、会えた……王子様に…。) 「愛してる…これまでも、これからも……君を想っていいな?」 「僕も…大好きです……理仁さま…。」  午前7時、1階のティールームには理仁のモーニング用のブレンドの香りが漂っていた。 「須田さん、まだ理仁様はお目覚めで無いようですが…。」 「ええ。私が持っていきますから皆様は理仁様と、夕莉様の朝食の準備を。テーブルのセッティングは不要です、自室でお摂りになると思います。」

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