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purchase of LUX Ⅰ
夜更けの大使館のとある一室は淫らな音と下卑 た声で満たされていた。
「これが例の外商で購入したという天使ですか。」
「素晴らしいですな。未成熟で、肌も玉のように艶やかで美しい。」
「決して安くない買い物でしたよ。その分こいつらにはお客様を満足してもらえるように奉仕して貰わないとなぁ。」
権力で肥えた男たちが円を作って、その中心には簡易的なソファーベッドが置かれていた。その上で、首輪を嵌められた美しい少年2人が生まれたままの姿でまぐわっている。
「フロウス、フルウスのだらしない後孔を慰めてあげなさい。」
「畏 まりました…。」
一人の少年は、もう一人の少年の後孔にすっかりと勃ち上がった自身を宛てがって一気に貫いた。
「ああっ!んあぁ…いっぱ、突いてぇえ!」
「は、あぁ…フルウス…締めないでぇ、あ、んああっ!」
隣にいた男はニヤニヤと2人を見下ろしながら訊ねた。
「フルウス、フロウスの可愛らしいモノで満足か?」
「あ、んああぁ!だめ、もっと、もっとおっきいの欲しいですぅ!」
「ぼ、くもぉ…ぼくもマンコに、おっきいのほしいの!」
はしたなく少年たちが強請 ると、男は円になって鑑賞している人々に声をかけた。
「皆様、思う存分、このだらしない性奴隷を犯して差し上げて下さい。中にも外にも出して構いませんよ。」
その言葉を合図にわらわらと少年の元に男たちが群がった。
「四方木 くん、どうだね?大使様のお買物は。」
「…お言葉ですが、少々悪趣味かと思われます。」
「ま、こういう付き合いもあるということを君もそろそろ知っておいた方がいい。」
銀フレームの鋭い眼鏡を掛けた青年は「結構です」と隣で既に少年たちに興奮しきった上司に言い放ち、この淫靡で下種な空間から抜け出そうとした。そんな青年の懐 に上司は何かを差し入れた。
「君もそろそろ、大きな買い物をしてみては如何かな?」
「……生憎、衣食住には不自由しておりません。」
ブリッジをあげて鋭く上司を睨んで、群がる男たちの流れに逆らい、今度こそ部屋を脱した。
預けておいたジャケットと荷物の受け取りを待つ間、青年、四方木 主久 は懐に入った1枚の真紅の名刺を取り出した。
「Angelus 、か……碌 でもないヤクザの商売か…それにしては手が込んでいるな。」
主久は男娼の外商という人身売買に対し軽蔑と共に感心もした。
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