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第2話 ♡
政府による
αとΩの大々的なお見合い、番探しの名目で行われる乱行パーティーは年に一度ハロウィンの夜に開かれる。
Ωの発情期が徹底的にコントロールされているのもその夜に最高の結果を残す為のものであった。
結局、オレらって……
αの為に政府に飼われているんだよな。
それならそれを受け入れよう。
でも心までは……誰にも渡さない。
その夜のルールはひとつだけ。
誘うのはαからのみ。
そしてまぐわった後で
これからの関係を決めるのはΩのみ。
「Trick or Treat」で夜は始まる。
「名前を聞いても?」
「ミナト」
「ミナト、俺はトーノ」
タキシードにシルクハット、白の手袋。
チラリと八重歯にしては長すぎる犬歯が見える。
かなりの男前のドラキュラだ。
「誘ってるの?オレこれだけど?」
胸に下げている十字架のペンダントを視線で示す。
「唆られる神父だ」
「決まりだな、それなら早くしよーぜ」
どうせオレの答えは「NO」だと決まっている。だからオレにとって相手は誰でも同じ……はずだった。
運命の相手?番?そんなもの信じていなかった。
ただぞわぞわと毛穴から染み出しくる欲求と悪い病いの様に全身に拡がっていく淫らな肉欲を狂ったようにがむしゃらに満したいだけ。ヒクヒクと欲しがる孔に突っ込まれてめちゃくちゃにされたいだけ。そこに欲望以外何もない…はずだった。
「何を躊躇っている?ミナト?早く」
ヘッドボードに背中を預けて長い脚を伸ばしベットに座る男の腰に膝まで下着を下ろし下半身を晒したミナトが中腰で跨っていた。
「こっちへ来て」
大きく脚を開いたままで男の顔に股間を突き出して自ら腰を揺らすことを要求される。
「アンタ、そんな綺麗な顔して変態だな」
「それはどうも」
クククっと笑う顔が色っぽくてヒクリと後孔が反応する。
「褒めてねーし」
「時間稼ぎですか?ミナト早く」
真夜中にいけないと分かっていてもひとくちだけでも食べたくなるそんな甘い声の誘惑。
息を感じる距離まで近づくともう待てないとばかりに大きな手で両尻たぶを掴まれた。
「ひゃっ……」
それだけで軽くイッてしまいそうになるのを堪える。
プルプルと震える性器から透明な先走りがつぅーと溢れていった。
男は目を細めその様子をじっと視姦する。
「ミナト……」
遂に自ら男の唇にヌルついた性器の先を押し付けるとそれはすぐさま温かい粘膜に迎え入れられた。
「……っ、あぅ」
尖った犬歯が先端をかすめて背中に快感が走る。
もっとその快感を追いかけようとするのに軽く先を含んだままで男は口を動かそうとしない。
それどころか、ちゅぱっと音をたてて口から出してしまった。
「あっ……いやぁ……」
どうして?涙目で訴えると
男は長い舌を出してちろりと先端を舐める。
その刺激に我慢も限界で己の腰を突き出すと男のねっとりとした舌が巻きついてきた。
「ミナト、動いて」
「ひっ……く、咥えたまま……しゃ、喋ん、な……よぉぉぉぉぉ」
唆されるままに小刻みに腰を揺らす。
「んっ……んんっ、あっ……止まん……な……ひ」
しゃがみこみそうになるのを男の手ががっちりと尻を掴んで支える。
その手は柔らかく両尻を揉みしだき綻びかけている蕾の前まで行っては引き返してしまう。
「や、やぁぁ……」
「どうした?ミナト?」
「じ、焦らすの……やぁ……」
「じゃぁ言って」
「……欲しい……欲しい、頂戴……っう、、、あぁ……う」
言い終わらないうちに望みは叶えられ長い指は軽く表面に
触れそこを何度か柔らかく押した後に……つぷっと入ってきた。
同時に口内に咥え込まれた性器が射精をせがむ粘膜にじゅっ、じゅっと淫らな水音を立てしごかれる。
「んんっ……あっ、イっちゃう……イちゃうよ……んっ……いい……あっ……ん」
両手で拡げられた後孔に差し込まれたままの指が、右と左を交互に変えられながら中でぐるりと回された、その瞬間……
「ふぁっ……あっ……はぁぁぁーーーっ」
真っ白になった意識からゆっくりと現実に戻ると
ゴクリと精子を嚥下した男が満足そうに微笑んでいた。
「変態α野郎め」
立襟のキャソックのボタンは全て外され素肌の上で十字架が光る。
途中までしか脱ぐ事を許されなかった下着は膝下でまるまり、
快感に喘いで痴態を晒した顔は汗と涙と唾液でぐちゃぐちゃだった。
そんなミナトとは
対照的に男は涼しい表情 でシャツのボタンひとつ緩めていなかった。
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