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第5話 ♡

「なぁ、早くやろうぜ」 「ミナト」 「アンタもやりたいんだろ」 「……」 「もう前戯は充分だ。ほら早くこいよ」 尻を男に向けてベットに四つん這いになって 肩越しに振り向いて誘うと 「ひゃぁっ……あぅ…… いきなり容赦なく割れ目を広げられ鼻先を押し付けられて クンクンと蕾の匂いを嗅がれた。 「まだだ、ミナト。まだ足りない」 「くぅ……この……変態……あっ…… そのままの姿勢でねっとりと舌を這わされて肉襞が震える。 両方の人差し指で左右に拡げられた孔は嬉しそうにくぱっといやらしい音を立てた。 「やだ……み、見るな……っ、くっ……」 「美味しそうだ……ミナトもっと」 粘膜の中を舐め回され背筋に快感が走る。 舌に沿わせて今度はゆっくりと指が入れられ くちゅくちゅと音をたてて肉が掻き回される。 その指が二本に増やされると トロトロに蕩けた肉孔から淫汁が溢れ出した。 そのいやらしい匂いに誘われるように男の肉棒が 入り口にあてられ先端の太い部分がぬちゅりと入ってくる。 「あぅっ…………ッ……太、い」 背中が弓なりに反る。 「まだだ、ミナトもっと中まで……くぅ……っ…俺を入れてくれ 傘の部分がゆっくりと沈められていく。 「うぅ、あ……あぁっ、もう……入らな……い」 「っ……もう……少し」 太い肉棒がミナトのを中ずぶずぶと犯す。 はぁはぁはぁはぁ 「これで……全部だ」 「あ……っ……」 言葉通り二人の下肢はぴったりと密着していた。 男は暫く動かずにミナトの中を堪能する。 そして一度ゆっくりぎりぎりまで引き抜いて 「ひゃっ また押し込む。 「あっ……あぁぁ……」 それを幾度も繰り返えした。 執拗に出し入れされ蕩けきった肉孔はぬちゅぬちゅといやらしい音を立て熱塊にしゃぶりつく。 そして先端が肉孔のある一点を捉えた時 ぴゅっぴゅっと触れられてもいないミナトの性器から白濁液が飛び散った。 それでも男の腰は止まらず 繰り返す絶頂の中で執拗に突き上げられる。 「うっ、うっ……あぁぁ、ダメ……もう……らめぇぇ」 「….…っ……うっ」 呻き声の後 男のものが中でどくんと脈打って 一番感じる奥の奥の奥に熱いものを浴びせられミナトは気を失った。 * 「ミナト」 呼び慣れない名前を呼んでみると 気を失ってそのまま眠った恋人はスースーと寝息を立てていた。 繊細なまつ毛は伏せられ どこか寂しげに見える唇はうっすらと開いている。 それは普段、人を寄せ付けない頑なな表情や肌を合わせている時の妖艶な表情からは想像出来ないあどけない寝顔だった。 こみ上げる愛しさと征服欲に突き動かされて 綺麗な形の肩甲骨にいけないと思いながら指を伸ばす。 そっと柔らかく触れてつつぅぅと指先を下に移動させる。 「……っ……んん……」 甘い声とともに 寝返りをうった恋人はけれどやはり目覚めることはなかった。 「誰の……誰の夢を見てるの?」 下半身に巻き付く白いシーツにさえ嫉妬してしまいそうになるのはきっと会えずにいた時間が長過ぎたせい。 薄いピンク色だったささやかな乳輪と乳首は男の指と舌に愛され尽くしぷっくりと赤く腫れていた。 その肢体を隈なく瞳に記憶する。 まるで今夜が最後のように。 そして唾液と汗と精液で汚れたその身体をそっと抱き上げると 再びバスルームへ。 それでも目覚めない恋人の唇にギリギリまで唇を近付けて問いかけてみる。 「無理させ過ぎた?……ねぇキス……キスしても……いい?」 唇に触れる直前で頬へとずらされた口づけは狂おしい恋情の最後の歯止めだった。 「ミナト…」 やっと会えた恋人は微塵も思い出してくれそうもない。 「ひどい人だね、ミナト……」 ーーに い さ ん 本当に欲しいのはいつだって身体より心だったよ。 しっかりと恋人を抱き締めたまま男はシャワーの下に立った。 はぁはぁはぁはぁ 息が……苦しい はぁはぁはぁはぁ 「ああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーー」 ーーアイシテル ーーアイシテル ーーズットカワラナイヨ ーーソバニイル ーーズットアイシテル……永遠に……

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