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あれから1ヶ月後――1

―蛍side― 「あっ……あ、あん。あぁ、イキそう」  ギリリと俺の背中に爪をたてた莱耶が、ビクビクっと全身を震わせると白濁の液をペニスから吐きだした。  俺は腰の動きを一度止めると繋がったまま、莱耶の唇にキスをする。  ちゅ、ちゅくっと舌を絡ませながら、俺はゆっくりと腰も動かし始める。一度、頂点を迎えた莱耶の中は、熱くなっていて、俺が動くだけでヒクつく。  莱耶の2度目の絶頂は、すぐに訪れるだろう。俺も、もう少しでイキそうだ。  莱耶の2度目の射精のときに、俺も一緒に果てたい。 「んっ、ん、んんぁ……も、やめっ」  意外にも、気持ち良く善がっていた莱耶が俺の胸を押して、拒絶の姿勢をみせた。 「え? なに?」と俺が動きを止めるなり、莱耶が枕もとに置いてある拳銃を、俺の額に押し当てた。 「もう終わりです。僕の中から、出て行ってください」  カチっと引き金を引く。ただの脅しじゃない。莱耶から離れなければ、本気で頭をブチ抜かれる。  俺は即座に撤退すると、両手をあげてベッドから離れた。 「まだ俺、イッてな……」 「何か文句でも?」 「……あ、いや。何でもない、けど」  セックス出来ただけ善しとしなければ。と、俺は心の中で呪文のように唱えた。  莱耶が起き上がると、ぎろりと冷たい視線を俺に向けた。 「何、茫然と突っ立ってるんです? 僕の可愛い智紀がお風呂から出てくる前に、さっさと姿を消してもらえませんか? 智紀に、ジュニアといるところを見られたくないんです」  莱耶が白いワイシャツ一枚を羽織った状態でベッドから降りると、拳銃を俺のこめかみにくっつけた。 「それとも今ここで、僕に撃ち抜かれたい?」  ふっと耳に息をふきかけてから、冷酷かつ残酷な言葉を呟いた。  とても、付き合っている恋人とは思えない発言だ。だけどこれが、今の莱耶であり、俺の恋人だ。  俺とセックスする気はない……と突っぱねられ、他の男と性欲処理のためにセックスされるよりは、こうやって智紀の目を盗んでセックスするほうが断然良い。  ちょっとでも間違えれば、莱耶に躊躇なく脳天を撃ち抜かれるんだろうけど。 「わかってるよ。すぐに帰るから」  俺は脱ぎ捨てた下着とジーパンをサクサクと穿くと、手荷物を抱えて部屋を飛び出した。  ドアを静かに閉めるときに、『ライさぁーん、お風呂がすごく気持ち良かったよぉ』と智紀の明るい声が聞こえた。

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