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chapter.1-18

頭の良い2人に纏めてもらい、漸く萱島も実感が湧いた。 デスクに凭れていた身を起こし、再びラップトップへと向き直る。 「“イラク”、“ニュース”…」 期間を直近で絞り流し見る。 こんな土地、メディア以外では寝屋川が従軍時代に派遣されていたという情報程度だ。 彼は未だ帰らない故、話を聞く事も出来ない。 「『ISの残虐非道な圧政…』、『猛威を振るったモスル熱、収束か』」 写真はどれもこれも錆びた土気色だった。 ふと萱島は中途で手を止め、最近都市部で起きたテロ事件の詳細を開いた。 “過激派武装勢力、ムスタファ革命軍がISへ合流か” 「何…また新しい組織が出てきたの?」 「…あのさ」 ラップトップを箱ごと傾けた萱島が振り返る。 小さな指が液晶の一部を示し、背後の2人は思わず揃って個所を覗き込んだ。 「これ、さっきの2人じゃない?」 単体ならば気付かなかったであろう。 目が粗くおまけに横顔ながら、見慣れたセットが写真へ納まっていたのだ。 長髪で派手なプロポーションの女性と、傍らに控えた大柄なメガネの男性。 名を聞かずとも思い当たる程にはそっくりで、牧は驚愕に眉を寄せていた。 「…たそが…トワイライト・ポータルの責任者?何でそんな所に…?」 破壊された戦車を背後に叫ぶ反政府組織。 そして少し離れた場所へ、まるで関係者の如く突っ立っているではないか。 「現地の武装勢力と繋がりがあるのか…かなりきな臭くなってきたな」 「はー…やだやだ、物凄く面倒な予感がする」 「もう発言全部怪しいわ。この際連中の解明は二の次にして、ウチの安全確保から…」 「――馬鹿かお前ら、裏切りは女のアクセサリーだろ」 俄かに頭の悪い発言が飛んできた。 会議に沈んでいた3人は、新たな声へ揃って頭を擡げる。 「…間宮」 「お前有価証券報告書は?」 「ない。俺はあの峰不〇子が忘れられない」 「ふざけんなお前、何なんだそのシャツの柄は」 「良いかお前ら冷っ静に考えてみろ、あんなスケベな体今後の人生で拝めると思うなよ」

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