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chapter.2-19
「――失礼します本部長、伝え漏れが…おお」
ドアを開けたマチェーテは、クリスマスパーティーの様な光景へ脚を留める。
何やら上司が電話する傍ら、その副官が机上の書類へ顔面から突っ込んでいるではないか。
「すげえな、前衛的なモニュメントだ」
「黙れ」
山から頭を引き抜いたサイファが唸る。
機嫌も悪く何用だと問えば、マチェーテは追加の書面を幾つか押し付けてきた。
「あと2、3話したいんだけど…電話中か?」
「ああ、まあずっと呼び出し中だから」
「どちらにお掛けで?」
受話器を持ったまま、御坂が無言で書面を叩く。
その意味を悟った2人は、思わず戦慄して声を張り上げた。
「トトト、トワイライト・ポータル!!?」
「サー!そういうことは流石に何か一言仰ってからにして下さ…!!」
矢先途切れた呼出音へ、一転して室内が黙る。
両者が固唾を飲んで見守る中、柔らかい声がいきなり用件をぶつけていた。
「CEOはどちらに?」
よもや直接向こうの代表、セフィロス・ネイサンと話すつもりか。
当たり前に難色を示すコールスタッフに、御坂はさらりと素性を明かす。
「国連の者だと伝えな」
意図は解せぬながら、その肩書に怯んだのだろう。
沈黙の後彼は引き下がり、やがて応答は若い男の声に代わっていた。
『…どうも、CEOのネイサンです』
「随分回りくどい事をしているな、ISILのご機嫌伺いは楽しいか?」
『さて、何の話だかさっぱり…』
「こちらはMQ-9を突っ込めば良いが、君はそうもいかないものな」
相手が盤上の配置を見渡し、次を逡巡する間が生まれる。
「何故なら目的は私だから」
『…!貴様…御坂康祐か…!?』
「名前まで知っていたか。確証が持てた、ありがとう」
返答も待たず一方的に回線を切る。
時間にして僅か1分の通話が終わり、部下は狼狽したまま次を待っていた。
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