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chapter.3-2

「そしてTPは、そのムスタファ革命軍とお友達なの」 現地で外国人が商いをするなど、確かに武装勢力との癒着が必要だろう。 ISILによる侵攻が続き、警察や軍は凡そ機能していないのだから。 「彼らにお金をあげる代わり、TPは営利活動を許されてた。というより、起業自体彼らに誘われたと言うべきかしら」 「何を目的に?」 「ISILにも勝る新たな勢力の勃興…ムスタファ革命軍による、新国家樹立かしらね」 新しい国をつくる。そして覇権を握れば、巨万の富を得ることも夢じゃない。 だがどうやって。 確かにその名を現地PMCより聞いた例はあるが、所詮はISILの腰巾着の1つだ。 「…言ったでしょ、バート医師はカルト的人気を誇っているの。彼をネタにけしかければ、古典的な信仰に飽き飽きした若者が沢山釣れるのよ」 「そのネタが神崎遥って訳か?」 「ふふ、そう。TPは2つのキャンペーンを予定していたの。1つは治安部隊の仕業として、ブリッジに神崎遥の死体を晒す計画。教祖様の息子が八つ裂きにされたと知れば、信者は怒りで奮起するってね」 随分すんなり流れ出る告白を、寝屋川は顔色も変えずに聞いている。 もし出まかせの嘘ならば、随分と楽しそうに吐くものだ。 「2つ目は私が此処に派遣された理由。バート医師は脳死した後、身体を3人に提供したの。そのバラバラになった肉体を探し出し、TPは儀式を完了させる…」 「儀式?」 「バート医師の身体を残らずあの世に返還するらしいわ。その火葬で以って、ムスタファ革命軍は正式な彼の使徒となり…加護を賜るそうよ」 つまりは革命軍の宗教体系を完成させ、TPは幹部の信用を得る。 その為にわざわざ中東くんだりから日本に現れ、R.I.Cに接近しては人探しをしていたらしいのだ。

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