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chapter.3-10

(何故かPCモニターとセットになってる…こっちの(レンジ)は$300から$1000以上) コピー用紙以外の価格は一見適正に見えるが、発注のやり方が滅茶苦茶だった。 これは恐らく何か、本来の商品を隠す為に暗号化した“表の帳面”ではないか。 $300~の商品と、凡そ抱き合わせになった50個入りの商品。 50個入りでこの価格。連想して脳裏に浮かんだものは。 (…銃と実弾) はっとその場で面を上げる。 階段を下る気配を察し、本郷は画像データを手に部屋を抜け出した。 (一先ず御坂に報告か) これが本当なら、確かに厄介な事になっていた。 もし連中が宗教までも掌握すれば、例えば一国の政権崩壊が次々と波及した、アラブの春再来すら危ぶまれ。 「――…ですから、私はR.I.Cへ向かったのは判断ミスだと申し上げてるんです。適当な人間を3人見繕って、バートから移植された対象だと嘯けば良かったんだ」 「そんなものDNA鑑定されたら終いだ。それに私はミスだなどと考えていない」 「しかし…!」 地下1階のミーティングルーム。 CEOのセフィロスを始め、TP役員の集結した一室では議論が紛糾していた。 先ず、R.I.Cへ潜入したカレン・デリンジャーらと連絡が途絶え、恐らく捕縛された件。 それにより此方がマークされたにも関わらず、何の収穫もない件。 そして。 「御坂康祐に計画が露呈したのは、R.I.Cに接近したからでしょう…?どうするんです、これでは我々は指名手配されて…」 「君、奴が何者か知っているかい」 25点…等と部下には酷評されていたが、セフィロスは未だ落ち着き払っている。 「あれは国連戦略開発統括本部(UNSDH)…通称、“独立遊撃隊”の頭だ。国連でありながら国際法にも縛られず、武力介入好きの下品な連中さ」 随分特殊な扱いの様だった。加えて国連と言うには、どうも世界の秩序らしからぬ。

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