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chapter.4-23

「い、いやあ…喧嘩売ったってほどじゃ…結局大して損害も無かったみたいだし…」 神崎の豹変ぶりに深刻さを悟り、狼狽する。 役に立たない作戦長を突き飛ばすや、神崎はカモメを蹴散らしてメインマストへ駆け出した。 「――沙南!沙南ちゃん何処だ!」 「あっ、社長…」 「これを受け取れ!」 呑気な萱島の姿を見つけるや、結構な距離へ何かを投擲する。 慌てて部下が手を出せば、掴んだのはGSM対応携帯だった。 「早くそれで御坂せんせーに電話するんだ!」 「え?何で?」 事態が分からぬ手前、当然困惑したが。 一行の周囲には突然爆音が轟き、次には凄まじいエネルギーの余波が熱風となり塵を舞い上げる。 「なになになになに!!!!」 「神崎社長!どういう事ですか」 「今撃って来てんのアイツだから!お前が言った方が聞いてくれるから、止めてってお願いしなさい!」 「う、うそだあ先生がそんなことする訳ない」 「おバカ思い出せ!アイツのソイレント・グリーン食わせてきそうな目を!」 恐らくさっきの爆発はESSMで対処できなかったミサイルを、どうにか主砲で撃墜したものだ。 あのコンパクトなイージスでは艦隊全てを守りきれない。 次は防げんぞと構えた矢先、今度は雲間から降って湧いたように巨大な鳥が現れた。 「ステルス機じゃん…」 様子見に飛び出してきた職員、戦闘員、みなその場に脱力して立ち尽くす。 やれ革命だ、クウェート侵攻だの息巻いていたが、圧倒的火力に立ち向かうほどハッピーではない。 戦闘機の機銃が甲板を焼き、イージス艦の主砲を潰した。 その間に次のミサイルが飛来し、また次が飛来し。泣き言を漏らす時間もなく艦隊は彼方此方から火を噴き、作戦長はメインマストに頭から突っ伏していた。 「今までありがとうございました」 「作戦長!そんな見捨て方がありますか!」 「沙南駄目元でいい!先生に電話してみろ」 萱島を庇いつつ、惨状を見た戸和が叫ぶ。 確かに仰る通りだ。萱島は青ざめ、覚束ない指で操作を試みた。

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