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chapter.4-27

何だか道理の分かった部下然として、傍らの彼女が神崎を往なす。 仰る通りだが拘束されていた旨を言い返そうとすれば、怠そうな御坂がやっとマトモに口を開いた。 「テーマパークはどうだった、入場料に見合うものはあったか」 「…武器の見本市だよ、面白くもない。義世の報告も合わせて、トワイライト・ポータルとやらは武器商社で間違い無いだろうな」 「えっ!…というか本郷さん何処に…あっ」 性分からうっかり口出ししてしまった。 萱島は血相を変えて戸和の後ろへ引っ込んだが、御坂の視線は既に向きを変えている。 「す…ずみません…もう二度と喋りません…」 「おい子供を睨むなよ、トラウマになったらどうすんだ」 「睨んでないよ」 「ご子息、サーの目つきは言わないであげて下さい。気にして本国では要らない眼鏡まで掛けてたんですから」 「面白いほど好き勝手言うな君ら」 号泣する萱島を他所に、言いたい放題なサイドのお陰で脱線する。 そもそも御坂は別に身内をどうこうするつもりは無いし、威圧もしてない。 「本郷君なら今お使いを頼んでてね、TP本社に出張中」 「イラクに…?危険は無いんですか?」 「未だ問題ないよ、何もしなければ」 今にも漏らしそうな萱島へ代わり、戸和が雇用主より余程気になる彼の安否を問うた。 “転職する”と残して消えた本郷は、成る程あれから御坂の命で動いていたらしい。 「その武器商社はISILと結託して革命を起こしたいらしいが、単なる戦争特需を狙うハイエナに近い」 「クウェート侵攻まで計画してたぞ、自分の商品でそこまでやるか?」 「クウェート…ファイラカ島ならISILに唆されたか。アメリカに喧嘩を売るとは言え、確かに戦略拠点として使える。イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦…ともすれば周囲に支援国が」 そこで不意に言葉を切った。 神崎は相手が露骨に黙るのを分かったが、続きなんて聞きたくもなかった。 どうせ外野が聞けば首が飛ぶ。 部下が同席するなら尚更、話はこの辺りで終いだろう。

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