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chapter.7-11
「おっと悪い、結論を急いちまう癖が…兎に角、君の会社のプロフィールや周辺関係は頭に入ってる。察するに、君の今の上司は御坂康祐。しかし今の目的は此処を襲撃する寝屋川庵の手助け。君は御坂の協力を貰うため、彼が欲している政府転覆の材料を捜したい…あと隣の妹君に会ったのは偶々か?」
「シャーロック・ホームズの生まれ変わりですか…?どうやったら今の一瞬で其処まで頭が回るんです?」
「推理小説だと?俺は大嫌いだそんなもの」
「…誰か来るわ」
そこで俄かに大人二人のやり合いを遮り、パトリシアが指摘を寄越す。
確かに悠長に立ち話などしていたものだから、打ちっぱなしのコンクリートを踏む足音がボリュームを増していた。
「2人とも隠れて」
「何?」
「私は多少の事があっても大丈夫、でも貴方たちはそうはいかないよね?邪魔だから隠れて」
有無を言わさぬ子どもの眼力に押され、大の男二人が後退る。
邪魔と怒られてはそれまでだが、流石に肩を借り過ぎではないか。
迷って捕虜の彼だけでも逃がそうと見た。その矢先当人から口を塞がれ、本郷は結局為す術もなく床下収納へと引っ張り込まれていた。
(もがもご!)
(sir, 何か知らんが、あの子の為にも今は消えた方が良いのでは?)
それは確かに。
的確な助言へ黙り、頭上の通気口から事の成り行きを見守る。
パトリシアは床下の扉を蹴って閉めるや、間もなく到着したCEOとひとり畏まって対峙した。
「――…どうしました神の子、こんな独房へ一体何の用で?」
「セフィロス様…そんな呼び方を止めて欲しいの」
「君が望むなら。ところで此処に居た捕虜は消えたのかな、君は関与した?」
「…はい。怪我が酷くて、私が病院へ連れていくように…言いました」
聞いた事を嚙み砕き、はてと言わんばかりにセフィロスは首を傾ける。
自分の判断でそんな勝手が出来る性格ではない。
何者かに唆されたのか、寧ろ当事者に幇助を懇願されたのか、そのどちらかになるが。
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