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chapter.7-21

『――…11分隊攻撃を受けている!ポイントはD1B25、応戦中…繰り『――ザッ…2方向から、座標…『…に足止めを喰らっている、迂回案内を頼む!』 じりじりと明暗が戻り始めた世界で、突如バケツを引っ繰り返したような無線が雪崩れ込む。平和な公園で立ち尽くし、一行は無意識に解説を求めて指揮官を見やっていた。 「…何だ?混線しているぞ」 「襲撃?今幾つ報告が入ったんだ?」 寝屋川は夜を味方につけなければならなかった。 何故なら数も地の利も天候もすべてがこちらに有利に働くこの土地で、彼は暗視装置とナイトストカーズに頼り、奇を衒わなければ。 「本部!まさか今更襲撃が始まった訳ではあるまいな!」 『――第2小隊…彼方此方で小規模な戦闘が起こっている、…ぐ配置に向かえ』 「銃声だ!遮蔽物に隠れて安全を確保しろ!機銃手は俺と…」 無線に噛み付く最中にも、到頭こちらにも弾が降り始め、直後に目前の鉄格子が迫撃砲で吹き飛ばされた。 やむを得ず一行は安地を求めて後退し、確保していた筈の陣形が崩れ始める。 どうやら、連中は夜明けを待ったらしいのだ。 自分の良く知られた定石を利用し、我々が最も油断する瞬間を突いてきた。 ならばもう思考を切り替えて対峙する他ない。理性ではそう考えるも、霹靂の様に現れた敵を前に、部隊は嫌なアドレナリンを噴いてパニックに陥っていた。 「――…数が異様に多いのだ。ヘリなど確認していないというのに、急に降って湧いた様に彼方此方で攻撃を受けている」 対応に追われる本部はモニターにマッピングシステムを立ち上げ、戦闘が報告された箇所に✕印を加えていく。 その数は瞬く間に20以上に上り、全員が神妙な顔で顎を摩っていた。 街は事前に索敵していた。大軍を率いてくれば、確実にバレる筈だった。 そして空には何も飛ばず、降下急襲でもない。この数の出現を説明できる人間が、誰1人いなかったのだ。

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