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chapter.7-25

*** 「――…我々は貴方が無能だと言わざるを得ません…言いたくありませんよ、こんな事は!しかしRIC潜入から今に至る数々の失策、すべてが損害に繋がっては鼎の軽重を問いたくもなる!」 「私は失策などと考えていない」 「セフィロス!この局面はせめて乗り切ってみせろ、そうでないと取締役会は君を切る!」 感情を乗せた相手の勢いで、大きく目前のデスクが揺れる。 セフィロスはそれらを無感情に眺めながら、背後で立ち往生している部下の報告を促した。 「あ、ああ…すみません、宜しいですか?どうやら空港が封鎖されたらしく、この一帯へ繋がる主要道も殆どです」 「…封鎖?誰の仕業だ」 「国連平和維持軍(PKF)です。目的は分かりませんが…過度な装備や攻撃の様子も見られず、事前に戦闘情報を掴んで一般人の避難や安全確保に入ったのではないかと」 「安全確保だと?直接は関与しないつもりか?」 未だ怒りのままに語気を荒げる役員を他所に、セフィロスが両眼をすっと開く。 そしてひとつ考え込む素振りを見せたかと思えば、思わず漏れた様に感謝を零していた。 「…ありがとう御坂」 「?社長…何と?」 「いいや兎に角、今は防衛に専念して貰わなければ困るよ。私の進退などその後でどうとでも…」 「セフィロス様」 部屋中の視線が一気に出入り口へ集まった。 似つかわしくない高い声を発したのは、矢張りドアの手前へ現れた少女だった。 「パトリシア、もう体調は?大丈夫かい?」 「はい、問題ありません…すみません、会議中に、でも地下の部屋の事で私」 「体調が戻ったなら今直ぐ此処を出て貰う。屋上にヘリが待機しているから、それに乗って国外へ向かってくれ」 「…え?」 矢継ぎ早に用件を話そうとした少女は遮られ、信じ難い顔をしてその場へと立ち尽くす。 確かに自分は厄介な肩書が付いてしまったが、このタイミングで追い出されるのは納得が行かなかった。 外では明らかに戦闘が始まっている。 てっきり自分も最後までセフィロスの傍に残り、共闘を許されたと踏んでいたのに。

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