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第3話

弘人と海に食べ終わったガムよろしく捨てられた俺は、強引に教室からつれだされた。 それが5分前。 …現在、いつもなら楽しく帰っているはずの道を萩野とぎこちない雰囲気で帰路をたどる。 「…」 「…」 どちらも一言も発っしないままで気分が悪い。だが、ネタがねぇ…何か話すことはないか?ここはぶなんに… 「な、なぁ今日いい天気だよなー…」 「…」 反応が返ってこない。なんでだよ!普通話しかけたら返事くらい返すもんだろ! 頭の中でぶつぶつ文句を言っているとふと聞こうと思っていたことを思い出した。 それは萩野が名前を教えてないのに知っていたこと。 「…おい、お前なんで俺の名前知ってたんだよ。」 「………………クラスメートが言ってただけ。」 クラスメートってクラスのやつらが俺のこと話すわけねぇだろ。まぁ少なからずいるが、頭がおかしいやつだ。 「誰だよそれ。」 「高瀬凛斗」 聞き覚えのない名前に首をかしげる。 「そういえば千尋って何か好きなことあんの。」 「好きなことねぇーんー音楽はよく聞く。」 「どんな?」 「音楽なら何でも。」 「ふーん。」 自分で聞いといてどうでもいいみたいな態度 とをやがって…。 この音楽から始まり食べ物、趣味、好きな色など、まるで初めて友達ができた小学生みたいだ。 萩野の質問に答えていると俺の家の前まで来ていた。 「萩野、俺の家ここだから。」 「あぁそう。じゃあね千尋。」 最後が少しそっけない気がしたが最初のお互い一言も発っしない時に比べれば、随分進歩したと思う。 …萩野のことにはほとんど答えたけど俺、萩野のこと何も聞いて無かったなー。まぁ別にいいか。明日学校で聞けばいいしな。 そしてそのまま夕飯を食べ、風呂に入り、就寝した。

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