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第18話
少しの衝撃と扉が開く音で目が覚める。
この怒涛の展開と緊張で疲れたのか、気づいたら寝てしまっていたようだ。これから死ぬかもしれないのに呑気に眠っていただなんて。自分の神経は意外と図太かったらしい。
「なぁ、ルート」
目的地についたのだろう、ルートが扉を開けて手を差し出してきた。溜まりに溜まった疑問を吐き出そうとすると、その長い人差し指を俺の口元に当てて遮られる。
「これから僕がいいと言うまで声を出してはいけないよ」
そう言ってルートは手袋をしている手で俺の頭の上から布をかぶせた。
「歩きづらいと思うけど、我慢して」
まるでパトカーから降りてくる犯罪者のようだ。
俺も周りをみるのが怖かったので俯いて歩いた。どうやら建物の中に入っていくようだ。時々違う方向に行歩いてしまうのか、ルートの手が伸びてくる。最終的には腕を引かれてしまった。
階段を上ったり下りたりしてかなり歩いたと思う。昔の自分なら息が上がっていたと思うが今は平気だ。どこかの部屋に入ったようだ。扉のしまる音がする。
「さぁ、着いた。もうしゃべってもいいよ。」
そう言ってルートが布をとろうとした。
「ちょ、ちょっと待って。心の準備をさせてくれ!」
目の前にギロチンや処刑台があったらと思うとたまったもんじゃない!
「わかった、じゃあ僕は一旦出るからね」
「え、ま、」
ルートが離れていく気配がして、慌てて止めようとする。その拍子に布が外れてしまった。
「わわっ」
周りにはメイド服の女性が3人いた。全員これまた見たことがないような美人で別の意味でぎょっとしてしまう。向こうも俺を見てやっぱり息を飲んだ。うう、美人に引かれるのはかなり傷つく。しかし、どうやら周りには物騒なものは置かれてないようだ。ひと先ず安心した。
はっと思い出してルートを止めようと手を伸ばす。
「これからしばらく彼女たちの言う事をきいて。僕は一旦席を外すけどまた戻ってくるから」
手が服に届く前にぴしゃりと言い放たれてしまった。俺に向かってなだめるような笑顔を見せ、くるりと部屋から出て行ってしまった。
…やっぱり俺、避けられている?
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