21 / 31
12-F(R-18)
「なぁ、藤?」
「…」
「俺もしてい?」
何かの確認をとる佐久間と無言で頷く俺。
只今、午前1時……何分だろう?
ゆっくりと佐久間の顔が下りてきた。
佐久間の目線は、俺の口元。
"くちゅ"
柔らかく濡れた唇が、俺の唇に触れる。
それを合図に、少し唇を開く。
"くちゅ…くちゅ"
俺がしたように、佐久間も俺の下唇を噛む。
何度も、何度も。
佐久間の頬に右手を添えると、佐久間が左手を重ね頬ずりをする。
それが可愛くて、クスリと笑ってしまった。
すると、佐久間はキスを止めて、
"ぺろり…ぺろり"
俺の右手を舐めはじめた。
くすぐったくて、離そうとするがしっかりと握られて離すことが出来ない。
「…まだ、残ってるな」
そう言って、こないだの火傷の痕を何度も舐める。
「本当は、ずっと舐めたかった」
揺れる瞳に目に射抜かれる。
「…舐めて治したかった」
ゾクリとした。
「……さ、さく、ま」
身体が甘く痺れるその行為を止めてほしくて、擦れそうになる声で名前を呼ぶ。
"ぺろり、ぺろり、ぺろり……"
けど、佐久間は、俺の声を無視して舐め続ける。
俺を見つめたまま。
「ハァ…」
鼓動が早くなって、ため息が漏れる。
甘い痺れは全身に広がる。
佐久間の行為は、火傷の痕から、指へ移った。
"ぺろ、ぺろ…ぺろり"
俺の指を、一本ずつ丁寧に舐め上げる。
小指から薬指、薬指から中指。
指の股まで満遍なく舐める。
くすぐったかった行為が、いつの間にか、甘い痺れを引き起こす行為に。
そして、
「ハァッ…ハァッ…」
自然と腰が揺れていた。
"くちゅ、ぐちゅ"
舐めるだけの行為に、指を咥え、時折吸い上げる行為が加わった。
ただ、変わらないのは俺を射抜く佐久間の瞳。
だめ……、見ないで。
俺だけを見てって思ってたけど。
こんな……、こんな俺は見ないで。
そう思う心とは裏腹に、舐める行為に合わせて、佐久間に擦り付けるように腰は揺れる。
"ちゅ、ちゅ、じゅっ…ぐちゅ"
「ン…ンッ…」
激しく動きだした佐久間の口に、俺は考える事が出来なくなった。
ただただ、腰を揺らす。
自分でも分かる。
右手と同じように、下着の中の自分のモノも、ぐちゃぐちゃに濡れている。
違うのは、佐久間の唾液じゃなくて、自ら出したものというだけ。
"かりっ"
「ンンッ!!」
佐久間が指を甘嚙みした瞬間、身体が跳ねた。
それを見た佐久間は、一瞬目を丸くさせたが、直ぐにニヤリと笑い、
"カリッ…カリッ…"
人差し指の付け根から指先に向けて甘嚙みし始めた。
「ハッ…ンッ…ンッ…」
もうだめだ。
自分の欲望を出したくて腰の動きが早くなる。
佐久間は指先を噛むと同時に、腰を下から上に押し付けるよう動かす。
その動きが、俺の腰の動きと重なった瞬間。
「ンンーーーッ!!」
俺は熱を吐き出し、佐久間のくれた下着の中を、一層ぐちゃぐちゃにさせた。
ともだちにシェアしよう!