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第12話
「ってことで、ごめん雅実、放課後美術室の掃除しないといけなくなったから、ちょっと待っててくれる」
「うん、分かった」
「15分ぐらいで終わると思う」
お昼休みになり、屋上でいつものようにお弁当を食べる俺たち双子と寺島。
屋上で雅実を待っていると、当たり前のように引っ付いてくるからなぁ、寺島。
「でも、ももチャンと何話して田中先生怒らせたの?」
「いやぁ〜、そ、それは……」
罰掃除とは言えても、流石に、"雅実 の恋路について話してたから"、とは言えない。
「どうせ、イチャイチャしてたんだろう」
「そ、そうそう!イチャイチャしてたら、見つかっちゃて!」
「開き直りやがって」
「だって、本当のことだしー」
「リア充め……授業中までイチャラブすんなー!授業妨害だー!」
雅実の横が定位置となった寺島が、やいのやいの言ってきた。
ムムッ、コレは探り入れる絶好のチャーーーンス!
「でも、寺島も授業中雅実にちょっかいだしてんだろ?」
「んー…、そう言われると、俺も雅実とイチャラブしてるわ、常に」
「ッゴホ!?」
「大丈夫か、雅実?」
「"大丈夫か?"じゃない!ご、誤解を招くような、い、言い方をしない!」
「えー本当のことじゃん!」
「ほ、ホントのことじゃないし!!ち、違うからな、雅人!!」
「そんな、全力で否定しなくても…。仲の良さを、ちょっと誇張しただけだし…」
「え、あ、ご、ごめん、寺島!そんなつもりはなくて!」
「じゃあ、このミニハンバーグもーらい!」
「えっ、えーっ!?」
「うん、雅実のハンバーグ美味いわ!」
「……そ、それは、よ、良かったです」
「……」
ごめん、ももチャン。
俺、この目の前で繰り広げられている二人のイチャラブが、ガチなのかどうか分からん!
やっぱり、まさと、お子さま男子ですorz
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