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第26話

そんな、お昼休みから2日経ちまして、とうとう寺島の試合当日。 「ももチャーーーン!コッチ、コッチ!!」 「雅人、雅実君!!」 「ももチャン、おはよー」 「おはよう、ももチャン」 「おはよう。雅人、雅実君」 雅実と寺島の試合を見に行くと言ったら、 『私もゼッタイ行く!寺島君の試合見に行く!』 と言って目をギラつかせたももチャン。 ももチャン、貴方が見たいのは寺島の試合じゃなくて、雅実と寺島の恋模様でしょ? 案の定、目を爛々とさせ現れたももチャン。 キープしていた席の荷物をどかして、ももチャンに席を空ける。 「寺島君の試合は、何時ごろ?」 「シードだから、11時前ぐらいじゃないかなって」 「じゃあ、もうちょっと時間あるね」 「うん」 彼氏の俺がいるのに、完全に雅実にロックオンなももチャン。 雅実と寺島が気になるのは分かるが、ちょっと嫉妬しちゃうゾ! 「試合前に寺島君とは会った?」 「ううん」 「そうだよね。他の剣道部員もいるからね」 「うん、試合前に邪魔しちゃ悪いから」 雅実、違うぞ。 ももチャンが言った"他の剣道部員もいるからね"の意味は、"他の剣道部員がいる前でイチャイチャできないよね”って意味だぞ。 「ライ〇とかは?」 「昨日の夜に、場所と時間聞いだけ。集中したいだろうし、今日はラ〇ンしてない」 雅実、そんな素っ気ない行動でいいのか?! ねぇ、ももチャンもそう思う… 「……連絡したいけど我慢して簡単な連絡だけ……朝も会えないまま……頑張れって伝える気持ちに、別の気持ちも乗せて応援する雅実君……その気持ちが届いたとき寺島君と……」 …うん、もう旅立ったのね、ももチャン。 「ももチャン、どうしたの?何か言ってるみたいだけど…」 「昨日遅くまでライ〇したから、ちょっと寝不足みたい」 幸いな事に、ブツブツ言ってるももチャンの声は、会場内の熱気で雅実には聞こえていないようだ。 「それにしても、俺ら意外にも、結構見に来てる奴らいるな」 「そうだなぁ」 会場をぐるっと見渡す俺たち。 「しかも女子の割合多くね」 「確かに。見たことある顔のほとんどが女子だ」 "ほらあの子もだし、あの子達も"と、俺たちが話していると、 「え、二人とも知らないの?」 小旅行を終えたももチャンが、キョトン顔で言ってきた。 「寺島君、ファンクラブあるんだよ」 「「エッ!?」」 寺島にファンクラブ!?

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