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第27話
驚いている俺たちを見て、意外そうな顔をしてるももチャン。
「割と有名な話なんだけど…。そういう話って男子までいかないのかなぁ?」
「女子の間では有名な話なんだ?」
「うん、有名、有名!ちなみ、うちの学校はもちろんだけど、学校外にも寺島君のファンクラブあるよ」
「え、マジで!?」
「学校外にもあるって…」
なおも驚く俺たち。
「学校のファンクラブが"内ファンクラブ"で、学校外が"外ファンクラブ"。そのまんまだけどね」
当たり前のことのように笑いながら話すももチャン。
「芸能人のファンクラブみたいな会員制とかじゃないけど、結構大規模で、練習試合でも差し入れとか多いみたいよ」
「それって、寺島本人も知ってんの?」
「んー知ってるんじゃないかな?ファンクラブの子たちが、差し入れしたとき話してくれたって言ってたし」
「そっか」
ももチャンの話を聞いて、少し複雑な表情で会場を見る雅実。
「ちょっと、ももチャン!雅実を落ち込ませないでよ!」
俺は、肘でももチャンを突き、小声で嗜 める。
「だって、本人から聞いてるかと思って」
「いくら寺島でも"俺、ファンクラブあるんだ!しかも2つ!"とは、流石に言わないよ」
「確かにそうね。好きな子にファンクラブがあることなんて話さないわね」
考えれば分かることなのに。
…。
……。
………まさか。
「……ももチャン」
「ん」
「もしかして……、分かってて言った?」
「何が?」
ニコッと可愛い顔で首をかしげるももチャン。
「ももチャンは、雅実の恋を応援してんじゃないの!」
「もちろん応援してるわよ。でも、それはそれ」
「何が"それはそれ"なんだよぉー」
雅実に聞こえないように気をつけつつ、ももチャンに突っかかる。
「応援はするけど、雅人みたいにアシストや干渉はしないってこと」
「えーっ。でも、ファンクラブ教えたのは、十分干渉に値すると思いまーす」
「ファンクラブについては、遅かれ早かれ分かることでしょ。たまたま、二人が女子が多いって言たから、自然な流れで言ったまでよ。あれで言わない方が、雅実君に不思議がられるわ」
「んー」
…納得いかない。
――ざわざわ…――
突然、騒めいた会場。
「な、ナニナニ!?」
会場の騒めきを上手く表現出来きない俺。
スイマセン!!
某マンガの表現を借りさせていただきました!
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