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第30話
「雅実君、何て送ったの?」
出口に向かいながら、先ほど雅実が寺島にラ〇ンした内容を、さりげなーく聞くももチャン。
「"お疲れ様でした"って送った」
………えっ?
何だその素っ気ないライ〇は!?
雅実のことだから、スタンプなしのその一文だけで送ってんだろうな。
もっと、"試合してる寺島、格好良かった"とか"優勝凄いね!おめでとう!"とか送れよぉ!!
しかも、"でした"って……。なに敬語使ってんの!?
「うん、雅実君らしいね」
………えっ?
ほっこり可愛いい笑顔を雅実に向けるももチャン。
雅実も、ほっこり笑顔をももチャンに返す。
え、ナンデ??何でほっこりなの???
え、何か通じ合ってるよね、二人?
え、雅実、ももチャンに恋愛相談とかしてないよね?
俺には何が何だかさっぱりだよぉ~!!
ひとり悶々と考える俺を挟んで、明日の授業のことやら話してる雅実とももチャン。
少し遅らせたからか、混雑に遭遇することなく、出口付近へ。
"それじゃあ…"と、俺がこの後どうするかももチャンに聞いていたとき、
「まさみーーー!!」
いつかのように、雅実を呼ぶ声が響く。
ただ違うのは、
「寺島!?」
雅実の顔に、驚き以外のモノが表れていることだ。
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