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無自覚王子とピーチ姫 その1

「ん?雅実君?」 雅実君と寺島君が付き合いだしてしばらく。 雅実君から、滅多にこないラ◯ンがきた。 {こんばんは。ももチャンに相談があるんだけど…… このライ◯に、私の腐女子アンテナが、ピンッと立った。 私は、一つ咳払いをし、姿勢を正してベッドに座る。  こんばんは!どうしたの、雅実君?} さも、心配そうな返事を返す。 もちろん、心配してますよ、……してます!! それ以上に期待が大きい!! {その…、寺島とのことで ハイ、キターーーッ!! つい、鼻息が荒くなる。 私は、はやる気持ちを抑えながら、フリック入力する。  寺島君?どうしたの、ケンカでもした?} 思ってもいないことを打って返す。 {いや、ケンカとかじゃないんだけど  私にできることなら、何でも言って!} 勿体ぶる雅実君に、間髪入れずリターン! {その……女の子のももチャンに聞くのもどうかと思うんだけど…… いやいや、聞いて聞いて、何でも聞いて雅実君!! ってか、雅実君と寺島君の状況、雅実君の口から詳しく、事細かに教えて!! 雅人より、当事者本人の口から聞きたい!! {その、寺島と、いい雰囲気になったとき、どうすればいいのかなぁーと思って……  いい雰囲気って、キスとかするようなってこと?} すぐに既読がついたが、レスがこない。 単刀直入に聞きすぎたかしら? でも、私の性格を知ってる雅実君なら、私がまどろっこしいこと嫌いって分かってると思う。 ってか、こういうの聞いてくるってことは、もうすでにそういう甘~い雰囲気になったことがあるってこと?! 我慢しきれず、妄想旅行へ旅立とうとしたとき、"ピコン!"と雅実君からのレスがきた。 {うん。キスもそうだけど、その、エッチなこと、とか 「ぐわっ!!」 何ともない文面なのに、この破壊力!! 思わず、声が出てしまった。 あの紳士でイケメン王子な雅実君から、"エッチ"ってワードが出てくるなんて……。 しかも、相手は寺島君よ!! やっぱり、寺島君がガンガン攻めるのかな。 寺島君、爽やかだけど、結構独占欲強そうだし……。 純真無垢な雅実君に、野獣と化した寺島君が……?! ヤバい、手が震えすぎて、文字が打てなーーーい!! {ごめん。こんなこと、女の子のももチャンに聞くことじゃないよね。ごめん、嫌な思いさせて すぐに返さなかったからか、相談をやめるような文面が送られてきた。 私は、慌てて返信する。  雅実君、私、全然嫌な思いなんてしてないよ!} むしろ、良い思いしてます、雅実君。  男の子同士って、難しいよね。逆に、勇気を出して私に相談してくれてありがとう} そうそう、萌えも大事だけど、雅実君は大切な友達。 ちゃんと相談にのらないと。  私で答えれることがあれば、答えるよ} ニッコリ桃のキャラクタースタンプも一緒に送る。 {ありがとう、ももチャン!こういうこと相談できる人がいなくて {男同士のことだけど、雅人には聞けないし   うん、雅人に相談したら、寺島君との仁◯なき戦いが始まるわ。 雅実君、貴方の判断は正しい。 {俺たちのこと知ってるの雅人とももチャンだけだから {ももチャンだけが頼りなんだ 雅実君……。 こんなに純粋な貴方が、寺島君の手によって、美しく乱れる様が見たい!! くぅ~~~、妄想が湯水のように溢れ出てくる!! 今度、"寺島×雅実"で薄い本作ろうかしら?  OK分かったわ}

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