私は、"ふーっ"と深呼吸をして、次の一文を送った。 　その、雅実君は、寺島君とエッチなことはできそうなの？｝ 思いきって、核心の部分を聞いてみた。 そう、ここなのよ。 どんなに甘い雰囲気でも、きっとノンケな雅実君。 現実を前にしたら、無理なパターンもある。 健全な男子高校生が、プラトニックなままとか、きっと無理。 だから、エッチできるか否かは、大きな問題。 私の中では、二人は日々イチャラブなんだけどね。 少しして、雅実君からレスがきた。 ｛たぶん大丈夫だと思う。男同士だと、どういう行為になるのか、いまいち想像できないけど ｛寺島のスキンシップ過多を考えると、寺島はそういうことしたいんだと思う ｛俺も寺島のこと好きだし、できれば寺島とそういうことしたい ｛でも、俺、こういうの疎いから、どうしたらいいのか分からなくて 左手で目頭を押さえて天を仰ぐ。 「雅実君……、健気……」 いいのよ雅実君、心配しなくて。 資料室の一件で、私は、寺島君の雅実君に対する深い愛を見たわ。 寺島君は、雅実君が嫌がるようなことは、きっとしないから。 もし、寺島君が無理強いするようなことがあれば言って。 雅実君の前に二度と現れないようにするから。 あ、でも、エチのときのイジワルは、愛のスパイスよ！ お互い、ふんだんに使って欲しいかな☆ 私が妄想に浸っていると、 ｛ももチャン、引いた？やっぱり、こういうこと女性に聞くのは失礼だったかな？ 雅実君の紳士的なレスが。 いかん、いかん！ 雅実君が相談を引っ込めそう！ 　雅実君、私は大丈夫だよ！ふたりのこと引いたりしないよ｝ むしろ、目の前でふたりの愛のメモリーを見たいわ、雅実君。 　雅実君は、寺島君とふたりっきりだと、いまだに恥ずかし？｝ ｛うーん。恥ずかしいと言うより、むずがゆいって感じかな？ 「む、むずっ！？」 どこが！ どこがどういう風にむず痒いの、雅実君！？ ま、まさか、そのむず痒いところに、寺島君の……。 ダメだ、ダメだ！！ 雅実君からのこういった類(たぐい)のワードに、いちいち反応してたら。 妄想ばかり進んで、本題が一向に進まないわ。 ｛寺島が触れるところが妙に熱くて ｛よく分からないから、やめてって思うんだけど ｛でも、触れてくれないと、さびしい気がして あぁ、誰かこの無自覚王子(プリンス)を止めて。 でないと、私、仰げば尊死よorz 　私は、雅実君のそのまま気持ちを、寺島君に伝えたらいいと思う｝ 今私に送ったラ◯ンを寺島君が見たら、確実に発狂して雅実君に襲いかかるわ。 うん、オメガバース系でも作品できそうね。 ｛そのままの気持ち？ 急におとぼけさんが入るっていうギャップがね。 さすが、無自覚王子(プリンス)は違うわ。 　うん。甘い雰囲気になったら、そのとき雅実君が思ってる気持ちを、寺島君に素直に伝えるの｝ 　恥ずかしと思うかもしれないけど、素直な気持ちは積極的に伝えて｝ 　雰囲気も重要だけど、言わないと伝わらないこともあるから｝ 　もちろん、嫌なことも嫌ってきっぱり言っていいからね｝ 　お互いを尊重するのいいけど、好きに遠慮や押し付けは禁物だから！｝ 言っとくけど、私だってちゃんとアドバイスするわよ！