69 / 77
ドキッと!?夏祭り 第1話
紳士淑女の皆さま、熱帯夜が続く夏、いかがお過ごしでしょうか?
俺はと言いますと、クソ暑いのに冷房をいれたがらない父親と、格闘の日々を送っております。
何なのでしょう、あの"冷房を我慢するのが美徳"みたいな精神は?
もう平成も終わって令和です。
いい加減、昭和で生きるのは止めていただきたい。
はてさて、愚痴はさておき、本日はタイトルにもありますが、NATU祭り↑↑↑
只今ばあちゃん家で、雅実の浴衣の着付待ち中。
俺は先に着付けてもらったので、居間でのーんびり。
ばあちゃん家は、ちゃーんと冷房が効いてて、こんふぉーたぼー!!
――ガチャ――
「雅人、お待たせ」
扉が開く音とともに居間へ入ってきた雅実は……、
「どうかな?」
「似合ぁーう!!いいじゃん、いいじゃん!!」
我が双子の兄ながら……男前っ!!
トンボ柄の浴衣は俺と色ち。
色白の俺が紺で、褐色肌の雅実は白。
いつもは特にセットしていない髪も、今日は軽くオールバックにして後ろに流している。
「ありがと!」
くぅ〜〜〜っっっ!!
その笑顔がまた、ズルいぐらい男前度を上げやがって…コンチクショー!!
「みっくんは洋風体型だから、なかなかバランスが難しかったわ。もうちょっと肉もつけた方がいいわよ。和装は恰幅 がいい方が似合うから」
後から入ってきたばあちゃんは、雅実の前にまわり、帯をグイグイと下げながら最後の微調整をしている。
「えー、それって俺が足が短くて太ってるってことぉ〜」
俺がブーブー言うと、
「そうね。とっくんの方が、着付けしやすかったわ」
クスクス笑いながら俺を見るばあちゃん。
「もー、ばぁーちゃん!!」
ヒドイよっ!
確かに俺は、雅実より背は低いし、足も普通の長さだし、標準体型の日本人だけども。
そんな笑いながら言われると、ジョーダンでも傷ついちゃうよ、俺っちorz
「ばあちゃんは、褒めてるのよ。去年も思ったけど、とっくんは色白で少しなで肩だから、浴衣が似合うわ。さっ、二人ともそこに並んで並んで!」
テキトーに俺の機嫌をとったばあちゃんは、スマホを構え、俺たちに窓際に立つよう指示する。
「あぁ〜ホンット、我が孫ながら、二人ともイケメンに育ったわぁ〜」
妙な連写をしながらしみじみ言うばあちゃん。
やっぱり血は争えぬ。
言ってること、大体俺と一緒。
ひとり撮影会に満足したばあちゃんは、早速誰かにラ◯ンしている。
多分、アコちゃん(叔母さん)とみさ姉(いとこ)のグループライ◯だろうな。
――ぴこん――
そうこうしてたら、母さんから到着ラインがきた。
「ばあちゃん、母さん今着いたみたいだから、俺達行くね。着付けありがとう!」
「ありがとう、ばあちゃん」
「気をつけて行ってらっしゃい」
俺と雅実は笑顔でお礼を言って、ばあちゃん家をあとにした。
ともだちにシェアしよう!