70 / 77
ドキッと!?夏祭り 第2話
エド・シ◯ランが爆音で流れる車に揺られながら、待ち合わせ場所の駅に向かう。
バックミラーで母さんがノリノリなのを確認して、雅実にこっそり話しかける。
「でも、ホント良かった?俺とももチャンが一緒で?」
「ん?何が?」
キョトンとした顔で俺を見る雅実。
いやいや"何が?"って…。
「だって、ホントは寺島と二人で行く予定だったんだろ、夏祭り」
そう、本当だったら今日の夏祭りは、雅実と寺島の(たぶん)2回目のデートだった。
ところがどっこい、どっこいしょっ!!
先週、我が家に遊びに来たももチャンが、
『雅実君、夏祭りダブルデートしよ?』
と言い出しまして。
俺も雅実も、オドロ木・モモの木・チャンモモサン!?
『二人とも浴衣着てね。勿論、雅人と色ちのあの浴衣ね。去年は、雅実君と一緒に夏祭り行けなくて残念だったんだから!!あ、雅実君!浴衣のこと寺島君にはナイショだよ?で、待ち合わせは……』
俺達に拒否権はなく、一人ニコニコ楽しそうに話を進めていったチャンモモ。
結局、雅実はその場で寺島にラ◯ンをし、ダブルデートの了承を得た。
たぶん寺島も、見えない何かを察したのだろう。
懸命な判断だったよ、寺島。
「全然良いよ!お祭りって、みんなでワイワイって感じだし!それに……、お祭りに男二人でって…ね?」
"ハハッ"と、苦笑いで誤魔化す雅実。
やっぱ気にしてんだ、雅実。
ももチャンのことだから、目の前でイチャつく二人を見たいだけかと思ってたけど、もしかしたら、雅実の不安に気づいてのかも。
そうだとしたら、惚れ直すよ、ももチャン。
「それに、雅人と色違いの浴衣だから、並んで歩いてみたかったんだ」
さっきとは打って変わって、照れくさそうに笑う雅実。
うん、雅実にも惚れ直すよっ!!
ともだちにシェアしよう!