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ドキッと!?夏祭り 第3話

「あの子たち、可愛くない?」 「外国人でも、イケメンだと浴衣も着こなすね」 「右のジャ◯ーズ系の子、浴衣ちょー似合ってる」 「あの子たち、色違いの浴衣着て……付き合ってんかな?」 いいえ。 俺達双子です。 付き合っておりませぬ。 兄と付き合ってるのは、別のムカツク爽やか男です。 ……って言いてぇ〜。 駅前の大時計の下。 俺達双子は、行き交う人々の注目を一身に浴びている。 特に、女性から。 まぁねぇ〜。 こんなイケメン二人が? 色ちの浴衣着て? 楽しそうに? 話してれば? そりゃぁ〜ねぇ〜。 「雅人、雅実君、注目浴びてるねぇ〜」 そぉ〜だよねぇ〜、注目浴びちゃうよねぇ〜。 「…ももチャン!」 浴衣姿のももチャン登場。 去年の浴衣も良かったけど、今着てる薄い空色の浴衣も素敵☆ かっわいいーももチャンは、ホント何着ても似合うわ〜。 でも、俺は知ってんだゾ! 「ももチャン、浴衣姿も可愛いね」 「ありがとう、雅実君。雅実君も、浴衣似合ってる!髪型もいい感じだね!」 何食わぬ顔で雅実と話してるけど、向こうの影から、目を輝かせて俺達を見ていたことを。 「寺島君は?」 「まだ。さっきラ◯ンがきたから、もうすぐ来ると思うよ」 流石、演技派女優のももチャン。 コ◯ン君ばりの"アレレ?"顔で雅実に聞いているけど、ずっと観察してたから分かってるでしょ、まだ寺島来てないの。 「寺島君も、雅実君の浴衣姿見たらすっごい喜ぶと思うよ」 「そ、そうかな?」 ハニカミながら頭を掻く雅実。 雅実、お前は完全にももチャンの手のひらで転がされているゾッ!! そう、俺達双子は、目の前の可愛らしい悪魔に踊らされてるゾッ!! そんなことを思って二人を見ていると、 「ま、雅実?」 後ろから、例のムカツク爽やか男の声が。 ってか、俺とももチャンもいんのに、雅実だけ呼ぶってどうよ?! ガンを飛ばすようにして後ろを振り向くと、目をまん丸にさせた寺島と、 「アキちゃんのお友達、イケメンさんと美人さんだ…」 同じように目をまん丸にさせた女の子が立っていた。

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