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夏の空、入道雲の色

こいつに抱きしめられんのって、嫌じゃない。だって、こいつの腕とか体の筋肉質な感じとか体温とか、どくどくと脈打つ鼓動とかを直接感じられるから。 でもそんな事言ったら、こいつは絶対調子に乗るから言わない。 「…もっとぎゅってしろよアホ」 「はあ、so cute…」 大きく息を吸って吐き出すのがわかった。胸が膨らんで、吐息が髪に掛かる。そっとそこを撫でながら、抱きしめてくれる腕の力を強くされた。 その向こうに見える窓から外を眺めると、青とオレンジの空に、もくもくと綿菓子のように湧き上がる雲。 ああ、もう夏が始まる。 夏が終わってしまったら、その時俺はどうなるんだろう… 今はまだ、この力強い腕に囚われていたい。

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