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【番外編】やっぱりこのサイズがいい
外見だけ見れば可愛いかもしれない。でも、こいつは俺の、その、恋人ってヤツで。
よく鍛えられた腕に抱きしめられて、大きな手のひらで頭を撫でてもらうのが心地よかった。
けど、今はそれも叶わない。
「ダイスケ、泣かないで…」
「泣いてなんかねえよボケ」
小さな手のひらを精一杯広げて、でも同じように頭を撫でてくれるから、余計に胸が苦しくなる。
公園から家までどうやって帰ったのか覚えてないけど、でもこいつがぎゅっとしがみ付くように抱きしめてくれてたのは覚えてる。
気が付けばそこは俺の部屋で、着ていたコートをハンガーに掛けていた。
「なんだよ、眠いのか?」
「…眠くない」
「嘘吐け」
目がしょぼしょぼしてる。まあ、そこだけ見れば可愛いよな。この体で一生懸命に歩いてたんだし、そりゃ疲れるわ。
俺はベッドにごろんと横になり、ぽんぽんと隣を叩いてやった。
「…If you want, you could just take a nap right here.」
「…っ!」
一瞬びっくりした顔をされたけど、すぐに嬉しそうに飛び込んでくる。
こんなところは、いつもと同じなんだけど。
ごそごそと寝心地のいい態勢を探してるのか、しきりに体を動かしてたけど、不意にそれが止まる。
すぐに規則正しい呼吸が聞こえてきて、それがだんだんと深く、ゆっくりとしたものに変わっていった。隣でそれを聞きながら、俺の瞼もだんだん重くなってくる。
「…夢オチだよな、絶対」
そう信じないと、マジで泣きそう。
小さな背中を抱き寄せて、その体温を感じなからゆっくりと瞳を閉じた。
「……ん、」
うっすらと目を開ける。眩しい。
あれ、さっき昼寝しようと横になったまま、まさか朝まで寝たとか?マジか⁉︎
「ちょ、おい、起きろって…!」
起き上がろうとしたら、がっしりとした腕に背中を抱き寄せられた。
ちらりと見上げた先にある、空色の瞳。
「グッモーニン」
「…あ、…元に、もどっ、た…?」
大きな手のひらで頭を撫でてくれる。
たくましい腕で抱き寄せてくれる。
やっと、それに委ねられるんだ。
「…はは、やっぱ夢オチだよな」
「ダイスケ?」
不思議そうに首を傾げるジャスティンに何でもないと答えると、暖かな体温を確かめるように唇を重ねた。
うん、やっぱりこのサイズがいい。
【番外編end】
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大ちゃん「…昼寝すんなら、しょうがねえから添い寝してやってもいいけど?」
そんな意味合いです。
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