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どいつもこいつも
【大介side】
所構わずいちゃつく双子と合流して、館内にあるレストランへ向かう。ちょうど席が空いていたらしく、すぐに案内された。
水槽のすぐ横のテーブル席で、珍しく創がはしゃいでるのがわかる。まあ確かにすぐ横をマンタが通りすぎてんだから、そりゃ興奮もするよな。
広げたメニューからシーフードピザが美味そうだなーとそれを選び、隣に座るジャスティンの方を向けば、想像してたより近くに顔があってちょっとドキッとした。いやいや、なんだよドキッて。乙女か俺は。
ウェイターに注文して、創が継の方を見る。にっこり笑って、また水槽の方を見る。
ああ、テーブルの下で手繋いでるのか。堂々といちゃつくなよな…なんか、目の毒っていうかなんというか。
ふとポケットに入れていたスマホをなんとなく触ってみる。
「…あ、」
触れたのは、さっき付けてもらったストラップ。サメだかシャチだかよく分からないのが付いていて、あいつとお揃い。
ちらっと隣を見てみると、ばっちり目が合った。
「なっ、んだよ…!」
「いや…」
ふっと微笑んで、ストラップをつん、と突ついてくる。こいつのスマホにも同じのが付いてるんだと思うと、たまらなく恥ずかしい。
恥ずかしいのと悔しいのと、ちょっとだけ嬉しいのとが混じり合って、わけわかんねえ。
くそっ、俺がこんな想いすんのもお前のせいだ。
つんつんとポケットからはみ出ている魚の部分に触れる人差し指を、ぎゅううっと掴んで握りしめ、思いっきり甲側に反らしてやった。
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