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どいつもこいつも

ショップでテンションの上がった創を追い掛ける継に後でな、と告げて、二人で店内をウロウロ物色する。創みたいにぬいぐるみやお菓子に目がいくわけじゃないから、特に何も欲しいとも思わない。 なんとなく手持ち無沙汰になってポケットに手を突っ込むと、中に入れていたスマホのストラップが指に引っかかる。 そういえば、これって非売品なんだっけ… ふらっとストラップコーナーに移動して同じものを探してみたけれど、やっぱり見つからない。そんな俺の行動に気付いたのか、ジャスティンが後ろから覗き込んできた。 「二人だけ、だな」 「うるせえ黙れ口塞ぐぞ」 「キスで?」 「喜べ、大水槽に沈めてやる」 後ろに居たはずがふっと笑いながら横に並んで、さりげなく腰を引き寄せてくる。何しやがると思い手が出そうになった瞬間、足元に小さな車輪が見えた。視線だけそっちに向けてみると、それは小さな子を乗せたベビーカーで、今さっき俺がいた場所に進んできた。 ああ、ぶつかりそうになったから、それで…? 何事もなかったような顔をしてそのまま並んでストラップを見ていたけれど、その気遣いになんか嬉しくなって、でも恥ずかしくて、素直にありがとうの言葉が出てこない。 こんな時、創だったらにっこり笑ってありがとうって言うんだろうな…んー?俺ってこんな素直じゃないヤツだった?継に同じ事されたら普通に言えるぞ、サンキューって。え、なんでこいつにだけ言えないんだ? 悶々と一人で唸りながら考えていたら、くしゃりと髪を撫でられたから見上げてみる。思ってたより近くにある碧い瞳に見つめられて、なんか体がきゅっとなった。 「ん?どうかしたか?」 「べっ、別になんもねえよっ!」 ああ、なんかわかった。こいつが俺の事好きだからだ。 だから、俺の調子が狂うんだ。うん、そうだ、間違いない。こいつのこの甘ったるい瞳に見つめられてドキドキするからとかじゃない、絶対そうだ。

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