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A to Z

【大介side】 双子の家に寄って創から何か受け取った。何か夕飯のおすそ分けくれるって言ってたけど、それにしても袋でかくないか?しかも二袋って? 一つを覗き込んでみる。タッパーに入った唐揚げやサラダ、冷凍してくれてるカレーは保冷剤代わりになっていて、そんなところで創の気遣いを感じる。「サンドイッチは明日の朝に食べてね」と言われて、そういや明日まで母さんいないんだったなーと思い出した。 もう一袋を覗き込んでみる。 「なっ……んだよコレ!!」 中に入っていたのは、たくさんのタオルとボトルに入った透明な液体、そして、小さな四角いパッケージ。俺だって男だし、これを何に使うのかなんて聞かなくてもわかる。けど、こうしてまじまじと見る機会なんかなかったし、ましてや誰かに貰うなんてなかったわけで。 「最初ちょっと痛いかもだけど、大丈夫だからね」なんてキラキラ感満載で言われてしまえば突き返す事もできず、すごすごと受け取ってジャスティンと二人でまた歩き出した。 「はい」 「は?」 「持つから、かして?」 すっと差し出された手が俺の持っていた袋を奪う。中身が何かなんてもちろん知らないこいつは、荷物を持ってるっていうのにすごく嬉しそうで。 傾いてきた陽射しが金色の髪をオレンジに染めるのを、綺麗だなんて柄にもなく思いながら見上げた。 「ん?」 「なに」 「いや、ダイスケこそ、ずっと見てるから」 「は!?いやっ、そんなわけねーしっ!」 しまった、まさか自分でもそんなあからさまに見てたとか思ってもいなかった。 かああっと熱を帯びていく頬を見られたくなくて、早足で歩く。なのに、後ろからはさっきと変わらないリズムで聞こえてくる足音。くそムカつく。 ちょっとあいつが手を伸ばせば届く距離にいる俺。 俺が歩み寄れば簡単に隣に並んでいける。 あと1歩の距離を、これから少しずつ縮めていこうとしてるんだ…

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