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ずっと好きでいさせて

☆☆☆☆☆ 無意識のうちに絡められた指を解く事なく、きゅっと力を込める。同じ力で握り返されるのが嬉しくて、安心する。 口付けの合間に囁かれる言葉を聞いて、かあっと大介の頬に赤みが差した。 「可愛い、ダイスケ」 「…っん、お前、なんかムカつく。した事あんの?」 組み敷かれた大介が、じっとジャスティンの瞳を見上げて問いかける。その黒い瞳は、キスを交わしただけでもう蕩けていたけれど、必死でそれに抗っていた。 実際のところ大介自身こういった経験はなかったし、まさか自分がされる側だとも思わなかった。けれど、いざこうして組み敷かれてみても嫌悪感などはなく、むしろ嬉しいとさえ思ってしまう自分が恥ずかしくて、でもお互いがお互いのものになるという喜びを感じていた。 「いや、ダイスケが初めてで…最後」 ふうん、と逸らされた瞳。けれど、その表情が今の大介の気持ちを全て物語っていた。 くすくす笑うジャスティンが、不意に握りしめた右手を上げる。自然と繋がれたままの大介の左手もシーツから離れ、指先がジャスティンの唇へと導かれていく。 「…だから、ずっと好きでいさせて?」 「……しょうがねえな」 綻ぶように微笑んだ大介がそっと瞳を閉じたところで、誓いの口付けが降ってきた。

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