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日本の夏
会場になってるこの公園に来てすぐに、両手に荷物を抱えて歩く継達に会えた。射的の景品と、フリースローゲームの景品らしく、創はかなり機嫌良さそうににこにこしてる。
今年のフリースローゲームの景品は、ネズミーランドのペア招待券だって教えてくれた。
二人と別れてその足でバスケコートに来てるけど、ギャラリーがすごい。やっぱ皆の狙いは5本全部ゴールさせてネズミーランド行きなんだろうけど、先着一名限り!ってなってるから、まだ誰も成功してないんだろうな。
「なんだよ、冷やかしばっかか?」
ギャラリーのわりには挑戦者が全然いない。
そりゃそうか、一回千円もすりゃ慎重にもなるよな。いつもここで見るバスケ仲間の顔もちらほらあるけど、あいつらが成功しないならそこらの奴らじゃ無理だろう。気楽にやってるフリースローと違って、景品も懸かってるし、何よりギャラリーまたヤジもすごい。
ちらりと隣に立つジャスティンを窺うように見てみた。
「ん、どうした?」
「…マジでやんの?」
「ああ。ダイスケがここにいれば失敗する気がしない」
「なっ…バカな事言ってないでやるならやってこいバカ!」
ばしばしと背中を叩いて受け付けに向かい、料金を払ってサークルに立たせた。
不敵に笑うジャスティンに受け付けで渡されたボールを投げつける。くそっ、受け取りやがった!
二三度ボールをコートに打ち付けると、目を細めてゴールを見上げる。ゴール下からはそれがよく見えて、悔しいけどこの真剣な顔になるとなんかもう見入ってしまう。
両手でボールを確認して、こっちに視線を向けてきた。
「ネズミーランド、一緒に行ってくれるんだよな?」
「…まあ、成功したら考えてやってもいい」
こいつなら100%成功するだろうと思いながら、理想的なラインで描かれる放物線を目で追った。
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