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日本の夏

「お前ってさ、プレッシャーとか感じねえの?」 「いや、特には…期待されたら応えたくなる」 「あっそ、天才ってそんなもんだよなー」 まあ、こいつに限って言えば努力に勝るものはないけどさ。持って生まれた才能を、しっかりと体に染み込ませるための練習をしてきたんだろうな。こいつのこの体つきとか、理論的な考えとか、一朝一夕で身につくもんじゃないし。 フェンスに寄りかかってりんご飴をガリガリ囓りながら、受け取った目録の入った封筒に視線を落とす。 『ネズミーランドペア招待券』と書かれたそれ。明日にはペアチケットが手元に届くらしい。 「…明後日、部活休みだし、行く、か?」 くいっとジャスティンの口元にりんご飴を差し出すと、嬉しそうに笑った。やんわり手首を掴まれると、いつの間にか目の前に碧い瞳があって。 あ、と思った時には唇が塞がっていた。 一瞬触れただけですぐに離れていくのが、なんか、ちょっとだけ物足りなくて。じっと見つめていると「そんな顔しないで」なんて言いながら頭撫でてきた。 …そんな顔ってどんな顔だよ?

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