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第4話

 昼食時。  俺は息苦しくて、保健室へ逃げようとしていると、金髪の無口そうな男の子に引っ張られた。  確か、この子は岸尾(きしお)澪(みお)君だった気がする。気難しい子だったような? 「トリックオアトリート……いたずらさせろ……先輩なんだから余裕持ってくれないとやだ」 流石ゲーム。  モテにモテまくる。すげーな俺。  そんなことよりポケットを弄(まさぐる)ると、アメが大量にあったので渡すと。 「甘いいたずらがしたいのに……ずるい! 屈んでねぇ、屈んで」 「ん? 何? へ? いて……ンチュ」 「お前、アメあげただろ? どうしてそういう事する……あ、いや、これは」  眼の前に居たのは誰でもない、意中の相手。南雲先生だった。 「小太郎君、ちょっといいかな? 先生に用事頼まれてたの覚えてるよね?」 「何!? 先輩は僕と一緒に昼食をとるんだぞ!?」 「ごめんね、先生に用事いわれてるからいかなくちゃなんだ。飴舐めて機嫌直して?」  手を振ると寂し気にしてるや……。でもそんなことより、大事な事がまってる。  保健室へ入るとすぐに。 「コタ? 香水の匂いもするし、キスされてるしどういうことかな?」  うわ抱きつかれた時に祐介のつけてる香水の移り香がしたのだろうか? キスしてるところもみられちゃったし……。 「不可効力です。南雲先生。俺は――」 「なんて言い訳しても許さないよ? ご飯はいつも私の所でたべるんだから、いくら経っても来ないから迎えにいったらまさか……あの偏屈で有名な後輩にキスされてるなんて」  信じられない! と行った面持ちで僕の肩に手を置く。そして 「消毒! チュッ」  軽いキスを仕掛けられた。 「これで許すとは思わないこと。ご飯抜きにしちゃうよ? されたくなかったら……気をつけてくれないと困る。君はモテるんだから」  色とりどりのお弁当を前に、俺用の箸まで用意されてて……。 「いただきます! うわーこの照り焼き美味しい。あ、このほうれん草の胡麻和えもぉ~全部全部おいしい。幸せだ!」 「ふふふ。食べてる君は本当に嬉しそうだからこっちも嬉しくなっちゃうよ。ほらあーん」 「え?」  プリンを持ってスプーンを用意してる。これってあれか? 「ほらあーん!」 「あーん。あ、これかぼちゃ!」  美味しい。めちゃくちゃ美味しい。食に満たされた俺はふと眠気に襲われた。  満腹だと眠くなっちゃうよなぁ。寝るのもいいけど、先生に甘えたいなぁ。  ウズウズしていると、先生がソファの隣に座って来てくれる。 「南雲センセ……美味しかったです。とっても!!」 「君が可愛く口に頬張るのをハムスターみたいで可愛くていいね。ジャンガリアンみたいだ」  動物ですか……。俺には似合わないよなんて思ってると。 「動かないで? ――ほら、取れた。おいしい。」  俺の口についていたご飯を召し上がられる……。恥ずかしいな。 「照れてないでもっと甘えてもいいんだよ? 君は私の恋人なんだから。奥ゆかしいところも確かに、いいけれど」  お昼は甘々なムードで過ごして、いっぱい甘えた。

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