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二
「燐 、どうです?僕の姿は、貴方のお気に召しますか?」
「・・・ぅ、ん、そぅ、だな」
燐は早速、人型になった煌 に迫られていた。
煌は、短く美しい黒髪に褐色の肌、猫の時と変わらぬ金の瞳で、燐が想像した以上に凛々しく雄々しかった。
燐はそんな煌に両手を取られ顔を寄せられ、言葉もままならない。
「こ、煌、その、ち、近くない、か?」
「燐に触れたいんです。猫の姿では燐に触れてもらうばかりで・・・ずっと、人型になって燐に触れたいと思っていたから」
そう言うと、右の掌で燐の左頬に触れた。
ぴく、と反応する燐を見て、煌は両掌で燐の両頬、耳、首筋と撫でていく。
そんな風に触れられるのは永い神生でも初めてだった燐は、只ただびくびくと反応し、そんな自身に戸惑うばかりだ。
「ゃ、やめ・・・ぁぅ、・・・ゃ」
「燐」
「こ・・・んぅぅ──っ!?」
煌、と返事をしようとした瞬間、燐の唇は煌のそれで塞がれた。
咄嗟につぐんだ唇を煌のざらりとした舌が舐め、驚いて思わず開いてしまう。
「んぁっ・・・んむぅ・・・んふ──っ」
社 の柱に背を預けた燐の膝から、がくがくと力が抜けていく。
燐に口づけたまま、燐の首筋や腰の辺りを撫でる煌。
舌を絡ませ、貪るように唇に吸い付く。
「んっ、ぅ・・・ふぁ、・・・っ」
博識で冷静沈着なはずの白蛇 さまは、人の姿を手に入れた雄猫の舌戯に翻弄され、最早 立っている事も出来なかった。
座り込んでしまった燐に更に追い撃ちをかけるべく、そのまま社 の板の間に押し倒す煌。
「・・・んなっ、ちょっと、ま、まて!待て煌!」
「ずっと待ちましたよ。犬でもないのに待たされたんです。これ以上我慢できません」
「ひぁっ!?」
燐の着物の袷 を無理矢理開く煌。
白く滑らかな肌に、褐色の掌が滑っていく。
煌は右手で燐の淡い桃色の乳首に触れ、もう片方には唇をよせた。
「あっ、ゃあ!ぃ、やだ、こぅ・・・っ、ゃ、んっ」
煌に慕われているというのは自覚していた。
それに応えたいとも思った。
燐も煌の事を好いていた。
だがしかし、これは想定していなかった。
着物はすっかり脱がされ、しなやかな身体を曝し、皮膚の薄いところばかりを燐に舐めまわされている。
「ぁ・・・はぅ・・・こぉ、やめ・・・んぁあっ!?」
俯せにされ、腰を高く上げさせられ、暴かれた後孔を猫特有のざらついた舌が這う。
そんなところまで舐められるとは思っていなかった燐。
困惑が恐怖へと変わる。
「ひ・・・っ、ゃだ・・・ひぅっ、ぅ・・・」
だめだ、このままでは。
抵抗しなければ。
立ち上がろうと上半身を起こした瞬間・・・。
「ひぃ゙っ!?」
雄猫の牙が燐の首筋に食い込んだ。
痛みと牙から逃れるため、再び上半身を伏せる。
しかし、煌は燐に噛み付いたまま放そうとしない。
「ぅぁ、や、はな、し・・・・・ぁああ゙──!」
燐の後孔に、熱く張り詰めた楔が穿たれる。
そしてゆっくり、しかし確実に、奥へと挿入されていく。
「は・・・ぁぐ・・・っ、ぅゔ・・・っ」
燐の頬を涙が流れる。
組敷かれ後ろから犯される痛みからか。
こちらの言い分を全く聞き入れぬ雄猫への恐怖からか。
それとも、じわりじわりと這い上がってくる初めての感覚からか。
「はぁ・・・燐・・・りん・・・っ」
「んっ・・・ぅ、ぁあっ・・・ひ・・・っ」
触れる煌の肌や穿たれた楔から、体温の低い燐に熱が浸透していく。
恐い、心地いい、逃れたい、溺れたい。
最奥で煌が果てた時、燐もまた、煌の掌に精を放ち、くずおれた。
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