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(りん)、どうです?僕の姿は、貴方のお気に召しますか?」 「・・・ぅ、ん、そぅ、だな」 燐は早速、人型になった(こう)に迫られていた。 煌は、短く美しい黒髪に褐色の肌、猫の時と変わらぬ金の瞳で、燐が想像した以上に凛々しく雄々しかった。 燐はそんな煌に両手を取られ顔を寄せられ、言葉もままならない。 「こ、煌、その、ち、近くない、か?」 「燐に触れたいんです。猫の姿では燐に触れてもらうばかりで・・・ずっと、人型になって燐に触れたいと思っていたから」 そう言うと、右の掌で燐の左頬に触れた。 ぴく、と反応する燐を見て、煌は両掌で燐の両頬、耳、首筋と撫でていく。 そんな風に触れられるのは永い神生でも初めてだった燐は、只ただびくびくと反応し、そんな自身に戸惑うばかりだ。 「ゃ、やめ・・・ぁぅ、・・・ゃ」 「燐」 「こ・・・んぅぅ──っ!?」 煌、と返事をしようとした瞬間、燐の唇は煌のそれで塞がれた。 咄嗟につぐんだ唇を煌のざらりとした舌が舐め、驚いて思わず開いてしまう。 「んぁっ・・・んむぅ・・・んふ──っ」 (やしろ)の柱に背を預けた燐の膝から、がくがくと力が抜けていく。 燐に口づけたまま、燐の首筋や腰の辺りを撫でる煌。 舌を絡ませ、貪るように唇に吸い付く。 「んっ、ぅ・・・ふぁ、・・・っ」 博識で冷静沈着なはずの白蛇(はくじゃ)さまは、人の姿を手に入れた雄猫の舌戯に翻弄され、最早(もはや)立っている事も出来なかった。 座り込んでしまった燐に更に追い撃ちをかけるべく、そのまま(やしろ)の板の間に押し倒す煌。 「・・・んなっ、ちょっと、ま、まて!待て煌!」 「ずっと待ちましたよ。犬でもないのに待たされたんです。これ以上我慢できません」 「ひぁっ!?」 燐の着物の(あわせ)を無理矢理開く煌。 白く滑らかな肌に、褐色の掌が滑っていく。 煌は右手で燐の淡い桃色の乳首に触れ、もう片方には唇をよせた。 「あっ、ゃあ!ぃ、やだ、こぅ・・・っ、ゃ、んっ」 煌に慕われているというのは自覚していた。 それに応えたいとも思った。 燐も煌の事を好いていた。 だがしかし、これは想定していなかった。 着物はすっかり脱がされ、しなやかな身体を曝し、皮膚の薄いところばかりを燐に舐めまわされている。 「ぁ・・・はぅ・・・こぉ、やめ・・・んぁあっ!?」 俯せにされ、腰を高く上げさせられ、暴かれた後孔を猫特有のざらついた舌が這う。 そんなところまで舐められるとは思っていなかった燐。 困惑が恐怖へと変わる。 「ひ・・・っ、ゃだ・・・ひぅっ、ぅ・・・」 だめだ、このままでは。 抵抗しなければ。 立ち上がろうと上半身を起こした瞬間・・・。 「ひぃ゙っ!?」 雄猫の牙が燐の首筋に食い込んだ。 痛みと牙から逃れるため、再び上半身を伏せる。 しかし、煌は燐に噛み付いたまま放そうとしない。 「ぅぁ、や、はな、し・・・・・ぁああ゙──!」 燐の後孔に、熱く張り詰めた楔が穿たれる。 そしてゆっくり、しかし確実に、奥へと挿入されていく。 「は・・・ぁぐ・・・っ、ぅゔ・・・っ」 燐の頬を涙が流れる。 組敷かれ後ろから犯される痛みからか。 こちらの言い分を全く聞き入れぬ雄猫への恐怖からか。 それとも、じわりじわりと這い上がってくる初めての感覚からか。 「はぁ・・・燐・・・りん・・・っ」 「んっ・・・ぅ、ぁあっ・・・ひ・・・っ」 触れる煌の肌や穿たれた楔から、体温の低い燐に熱が浸透していく。 恐い、心地いい、逃れたい、溺れたい。 最奥で煌が果てた時、燐もまた、煌の掌に精を放ち、くずおれた。

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