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四
「ひぁ・・・っ、も、そこ・・・ゃめ・・・っ」
煌 のざらついた舌が、同じ肌の上を何度も舐め上げる。
淡い桜は紅く熟れ、耐え難い熱と、ひりつく痛みと、抗えぬ疼きが襲う。
雄猫を押し退けようと出した燐 の両手は、煌のそれで地面に縫い止められていた。
「んっぅ・・・や、はな・・・っ、ぁあうっ」
紅く腫れた胸の飾りに軽く歯を立てられ、燐の身体が跳ねる。
何故そこばかり執拗に舐めるのか。
味などしないだろうに。
「こ、煌っ、もぉいい加減にし・・・」
「燐、ここ好きですよね」
「そんなわけあるか・・・ぁっ」
まるで乳飲み児の様に、燐の乳首に吸い付く煌。
燐は自身の変化に気付きながらも、認めたくないと歯を食い縛り、声が漏れてしまうのを防ごうとする。
「我慢しなくていいんですよ?ほら、ここだって、もうすっかり濡れているじゃないですか」
「ああっ・・・さわ、るな・・・ぁっ」
はしたなく涎を垂らす己の徴 を握り込まれ、悲鳴にも似た声が上がる。
気付いていた。
下腹部を渦巻く熱に。
気付かれたくなかった。
胸を愛撫されただけで、こんなになってしまっている事に。
「燐、欲しいと言ってください」
「ぁんっ、な、なに・・・やあっ」
燐の両脚を大きく開かせ、その膝が顔の横に付く程、燐の身体を折り曲げる煌。
少し浮いた腰の下に膝を入れ、燐の尻が高く上がるようにする。
苦しそうな体勢だが、身体の柔らかい燐にとっては、只ただ屈辱的なだけだった。
「い、やだっ、やめろ煌っ」
「欲しいと言ってください」
「ひぁあ──っ!」
燐の見ている前で、見せ付ける様に、燐の後孔に舌を捩じ込む煌。
ざりざりと、熱い舌が、奥を突こうと入ってくる。
胎内 を舐められているという羞恥と、未知の感覚に対する恐怖と、背筋を競り上がる快感。
がくがくと震えながら、頬を伝う涙もそのままに、楽になりたい一心で。
「・・・ほ、しぃ・・・っ」
燐の言葉に舌を抜いてから、ひくつく後孔をひと舐めして微笑む煌。
「貴方に求めて貰えるなんて」
「こ・・・──っっ!」
煌の嬉しそうな笑顔に一瞬気を許した燐だったが、一息に最奥まで穿たれ音の無い悲鳴を上げる。
肌と肌の隙間を惜しむ様に、燐を貫きながら強く抱き締める煌。
燐の首筋に顔を埋め、彼の胎内 が落ち着くのを待った。
「はっ・・・ぁぅ・・・っ」
息を詰まらせる燐を宥めようと、首から耳まで舐め上げる。
ほんの少し力が抜けたのを感じ、容赦ない律動を始める雄猫。
「んぁあっ、あっ・・・ゃんっ、ん・・・ぅっ」
動きに合わせ、切なそうに声を上げる神さま。
煌の着物にすがり付きながら、理性が本能に追いやられて行くのを感じていた。
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