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白雪の気持ち。
(白雪視点)
白雪姫、そんな童話がある。
美しいお姫様が女王に狙われ、毒りんごを食べてしまい眠ってしまうが、王子様のキスで目覚める………
そんな話。
僕はこのお話が大っ嫌いだった。
自分に付けられた名前。
名前のような容姿に生まれ育ってしまった自分。
そのせいで嫌なことが沢山あった。
道端で突然声をかけられて、襲われそうになったり、男から追っかけ回されたり………
なんで、なんで、僕はただ普通に生活して人生を
楽しみたかったのに。
自分の名前、容姿も嫌いだった。
そう思いながら中学生に進級したとき、透也が自分の前に現れた。
彼はひどく自信に溢れていて、凄く憧れた。
そんな彼が僕の事を必要としてくれた。
友達になってくれた。
嬉しかった。
まあ、でも友達になってからは、いろいろあったけど……
あんな性格だけど、時には自分も嫌なことをされたりはするが、透也が大好きだ。
透也がいるから、僕は死なずにすむ。
存在価値が生まれる。
透也は自分のすべて。
僕も透也に、依存している。
だから、この仕打ち、透也のする行動は苦だとは思っていない。
むしろ、愛されているか、どうか確かめられる。
だから、大丈夫………
(白雪視点終わり)
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