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第6話

 二人でお弁当を食べてランタンを作る。  一人でいる事を望んでいたはずなのに、高沢の側は居心地が良くて、いつのまにか楽しみな時間となっていた。  未だツンとした態度をとってしまう僕に、いつでも優しくしてくれる。  そして、時折、感じる視線。  心が落ち着かなくなるからやめて欲しいけれど、けして嫌なものではなかった。  金曜日は体育が終わってから空き教室へ向かうことになるので少し遅れる。  それまでお弁当を食べずに待っていてくれる。だから少しでも早くと思ってきたのに、中から話し声が聞こえる。  一人は高沢のモノ、そしてもう一人は……。 「お前も下手じゃないか」 「うるさいなぁ」  そっとドアを開き、隙間から中を窺う。  綺麗な人だ。楽しそうにランタンを作っていて、二人はとても良い雰囲気だった。  胸が痛い。  二人で完成させると言ったのは高沢だ。なんだか裏切られた気がした。  それに、楽しそうな二人を見ていると、僕の居場所はもうないように思えて、そっとその場を離れた。  あの日から僕は空き教室に行っていない。  体調が悪く、学校を休んでいからだ。  どうして高沢に心を許してしまったんだろう。  悲しい、悔しい、こんな感情を味わいたくなど無かった。  自分が判断を誤ったから、馬鹿な自分、と、頭の中でそんな事ばかり考えている。  このままパーティが終わるまで学校にはいかない。  逃げないという約束は反故することになるが、もう、高沢の傍にいたくない。  胸が痛むのも今だけ。すぐに慣れるだろうと布団の中でまるくなった。

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