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第7話

※※※  ハロウィン仮装パーティ当日。  ランタン作りはどうなっただろうか。きっと誰かに手伝ってもらっているよな。  僕なんて居ても居なくても大丈夫だったんじゃないかと、気持ちは落ち込むばかり。  仮装だって、高沢が僕の分も用意するからと言っていたが、結局、なんの衣装だったのか知らずに終わった。  ランタンを作っているうちに、高沢と一緒ならパーティも楽しいだろうと思うようになっていた。  そんな事を思っては、自分自身を叱咤する。  インターホンが鳴る。  家を訪ねてくる人は滅多にいない。まさか高沢と思い、そんなはずはないとそれを否定する。  だって、ハロウィンパーティはすでにはじまっている。誰かと楽しんでいるはずだ。  再びインターホンが鳴る。  それを無視していると、 「約束したよな。逃げない、無視しないって」  と高沢の声が聞こえて、僕は玄関へと向かい開錠しドアを開けた。 「なんで?」 「悪いな。お前の家の場所は先生に聞いた」  信用があるからなと手が僕の額に触れ、それにビクッと肩が震え、その手はすぐに離れた。 「熱はないようだな」 「……帰って」 「ジャック・オー・ランタン」 「いらない」  見たくもなかった。  差し出されたランタンを受け取らずに顔を背ける。

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