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第43話 掌中乃珠 ※

それから、三人の生活が始まった。 親父は仕事で帰りが遅く、俺も部活に入っていたから、帰りが八時頃になる。 そんな俺達の為に、玲はご飯を作って、風呂も沸かして待っていてくれた。 腹が減るだろうから「先に食べてろ」と言っても、「悠ちゃんと食べたい」と言って必ず待ってる。 それならと、せめて風呂は先に入ってもらうようにした。 玲と一緒にご飯を食べ始めたとしても、玲は食べるのが遅く、俺が食べ終わった頃に、まだ半分ほどしか減ってないことがよくある。 俺は先に食器を流しに運び、玲が残りを食べてる間に風呂に入っていた。 着替えを持って洗面所に行き、服を脱いで風呂場のドアを開ける。風呂場の中には、温もった空気と共に玲の匂いが充満している。俺は、中へ入りドアを閉めると、大きく深呼吸をして匂いを吸い込んだ。それだけで、俺の性器はむくむくと上を向き始めた。 ああ…、玲の匂いだ。少し前まで、ここに裸でいた…。 俺は玲の裸体を思い浮かべる。 白い喉に噛みつき、胸に付いたピンクの突起を舐め、下の可愛らしく震える性器を握り、後ろの熱い孔に指をツプリと入れてかき回す想像をする。頭の中の玲が、赤い唇から甘い声を漏らして顔を恍惚とさせている。 俺は、荒い息を吐いて性器を握る手を数回上下に動かすと、すぐに勢いよく白濁が飛び出した。 「はぁっ、はぁっ、…玲…っ」 日々、玲への想いが強くなっていく。玲に触れたい気持ちも強くなっていく。 今までは、兄弟という事実が枷になってくれていた。でも、俺達は血の繋がりはなかった。俺はもう、自分を止めることが出来ないかもしれない。そのうち、玲を滅茶苦茶にして、壊してしまうかもしれない。玲を俺だけのものにしたくて、がんじがらめに縛り付けてしまうかもしれない。 俺は悩んで悩んで、玲を壊してしまわない為に、玲から俺を嫌って離れて行ってくれるように、そう願って。 玲に、冷たい態度を取ることに決めた。

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