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第79話 寤寐思服
震えが収まるまでしばらく休んでから、繋がったまま抱き抱えられてお風呂場へ行った。
悠ちゃんが、僕を床に降ろして性器をズルリと引き抜く。引き抜かれたと同時に僕の内腿に、中に入っていた精液がトロリと流れ落ちた。
悠ちゃんに中の精液をかき出してもらい、優しく身体を洗われる。さんざん弄られた乳首にボディーソープの泡がしみて、僕は小さく悲鳴を上げた。
「ごめんな、やり過ぎた」と、全然反省してない顔で、悠ちゃんが謝ってきた。自分の身体も洗ってお風呂場を出ると、柔軟剤の香るバスタオルで僕の身体を丁寧に拭いていく。拭く時にも胸が痛くて、僕は目に涙を溜めてプルプルと震えていた。
下だけをはいて、悠ちゃんにリビングに連れて行かれる。ソファーに座って待ってると、悠ちゃんが塗り薬を持って来て、僕の胸に丁寧に塗り込んでいった。
塗る時にも少し痛くて、しみる度に僕は小さく声を漏らして肩を跳ねさせた。真剣な顔で塗っていた悠ちゃんは、塗り終わると僕にキスをして、「おまえのここ、赤くてエロくて美味そうでたまんねぇ…」と掠れた声で呟くなり、トイレに走って行った。
どうしたんだろう…とぼんやりと悠ちゃんを待ってると、すぐにスッキリとした顔をして戻って来た。僕がさっきと同じ体勢のまま座ってるのを見て、悠ちゃんが慌てて服を着せる。そして僕を抱き寄せて「ごめんな…」と謝った。
「ふふ…悠ちゃん、謝ってばっか。もういいよ。痛いのは嫌だけど、僕も、き、気持ちよかった…し…。ちゃんと薬塗ってくれたし。それに…僕も噛んじゃったし…」
「おまえの噛み跡なんて痛くねーよ。俺、興奮してやり過ぎたと反省してる。おまえのこと優しくしてやりたいのに、メチャクチャに抱き潰したいとも思ってしまうんだ。俺…自分が怖いよ」
「僕もね…ホント言うとすごく興奮したの…。今もジンジンして痛いけど、なんか…今までよりも、気持ちよかった…ていうか…」
「…おまえ…可愛いな。あ〜…、このままずっと抱きしめてたい。俺の…玲…」
「悠ちゃん…、僕は悠ちゃんのだよ」
「ん…、俺の全部もおまえのものだ。木曜日さ、迎えに行くからな。早く帰れよ。それに、ちょっとでもおかしいと思ったら、すぐに連絡してこいよ?」
「うん、わかった。悠ちゃん、迎えに来てね」
「玲…」
少し前までは、触れることすら許さないという態度で僕と接していた悠ちゃんが、今は離れることを許さないとばかりに、僕に執着してくる。
僕も長年想ってきた分、悠ちゃんに執着されることが嬉しくて、何をされても最後にはきっと許してしまうんだ。
この時から僕たちは、少しずつ、緩やかに、歪み始めていたのかもしれない。
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