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第118話 疑心暗鬼
悠ちゃんと些細な喧嘩をした三日後、また悠ちゃんが買い物に行くと言った。
ずっと家の中に閉じこもったままだったから、僕も外に行きたくて、「僕も一緒に行きたい」と頼んだ。
でも、悠ちゃんは「ダメだ」と言う。
「なんで?悠ちゃんと一緒だしいいじゃん。僕もそろそろ外に出たい」
「玲、俺の言うことが聞けねぇのか?それならしょうがないな…」
悠ちゃんが大きく溜め息を吐いたから、許してくれたんだと嬉しくなって、僕はクローゼットを開けて服を取り出した。ベッドに置いて、着替えようとした僕の腕を悠ちゃんが掴んで、いきなり僕をベッドに押し倒す。
驚いて固まってる間に、頭の上で一まとめにされた手首に何かをはめられた。「え?」と慌てて腕を引くと、ガシャンと音がして、腕が動かせない。
顔を上げて見ると、僕の両手首に手錠がはめられて、手錠の鎖部分にロープを通して、ベッドヘッドに括り付けられていた。
「え?なにこれ?なんでっ?…やだっ、取って…っ」
「おまえが外に出たいと言うからだ。頼むから、ここで大人しく待っててくれ」
悠ちゃんが僕に被さりキスをすると、頰をひと撫でしてから、僕を置いて部屋を出て行った。
「やっ、やだっ!悠ちゃんっ、取ってよぅ…。僕も一緒に、外に行きたいだけなのに…っ。う…ぐすっ。やだ…」
ーーなんでこんなことするの?この前のこと、まだ怒ってるの?こんなの、嫌だっ…。
僕はとても悲しくなって、嗚咽を漏らして泣き出した。
悠ちゃんが出て行ってから、どれくらい時間が経ったのだろう。泣き疲れた僕は、寝てしまってたみたいで、目を瞬かせて身体を起こそうとした。
ガシャンと音がして腕が引っ張られ、そこで悠ちゃんに手錠をはめられていたことを思い出した。
何度も思いっきり引くけど、全く外れそうもない。だんだんと手首と腕が痛くなってきて、僕はまた涙を溢れさせた。
「うっ、うっ…、悠ちゃん…早く帰って来てよぅ…っ、これ取って…」
泣きながらドアの外の様子を窺うけど、まだ帰って来る様子はない。僕は、顔を横に向けてグズグズと泣き続けた。しばらく泣いて、ある嫌な感覚に涙が止まる。
ブルリと身体を震わせて、嫌な汗が滲み出てきた。
僕は、尿意を催したのだ。
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