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その5:変態ということを自覚させましょう

ヤクザの屋敷の家政婦として働くようになって、気づけば1週間が過ぎようとしていた。その間、はじめは何度苑を正座させただろうか。 着替えを盗撮しようとしていて、発見後、正座させての説教。 入浴中を盗撮しようとしていて、発見後、正座させての説教。 夜部屋に忍び込もうとしていて、発見後、正座させての説教。 この他にもいろんなことをしようとしていて、発見後に正座をさせて説教した。 何度も何度も正座させての説教だが、変態の苑には通用しないらしい。 はじめに正座で怒られる度に、幸せそうな笑みを浮かべている。 「苑さん。いつも本気で言ってるんですけど、止めてください」 「何を?」 「だから、俺の盗撮とかですよ!!」 「は!?はじめくんを盗撮なんて、いったい誰がっ!!」 「あんただよ!!」 今さっき苑から奪い取ったカメラを、はじめは床に思いっきり叩きつけた。その衝撃でカメラが壊れたみたいだが、はじめにそれを気にしている余裕はない。 「苑さんよぉ、お前はいったい何回言われれば理解するんだよ!!自分が変態だって!!」 「だから何度も言うが、俺は変態ではない。恋人の可愛い姿を見ようとして何が悪い」 「だから、恋人じゃないって言ってるだろうが!?」 何度そう言っても、苑に話が通じることはなく。はじめは若干諦めムードだったが、今回のは本当に厳しく行かないと、今後が危険なのだ。 何せ今回は、はじめの“ひとりえっち”の様子を納めようとしていたのだから。 「苑さん。俺真面目に言ってるんで、本当にやめてください」 「…………………分かった。はじめくんがそう言うなら、やめるよ」 苑がそう宣言したので、やめてくれる、やった!とはじめが思ったのも束の間。 「じゃあ今度から直接見ることにする。撮ったりはしないから、心配しないで」 「そっちもダメじゃーーー!!この変態ヤクザがっ!!」 「だから俺は変態じゃないってば」 はじめには、苑に自分は変態だと認めさせるか、自分が諦めるしかないという道しか残されていないようだった。

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