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第11話

雨は、止まない。 床に横たわる遥は疲れ切った顔で寝息を立てていた。 立て続けに二回シて、最後は気を失った。 四回はその前にイかせていたから、それもしょうがないだろ。 ……こいつ体力なさそうだもんな。 ふと、笑いが漏れ、遥の髪を撫でた。 部屋には性交特有のにおいがいまだに充満している。 遥自身、まだ生々しく白濁が肌にこびりついている。 セックスなんてもの知らなさそうなあどけない寝顔をした遥に乱れた姿はアンバランスだ。 「……遥」 耳に舌を這わせると、微かに身じろいだが目を覚ます様子はなかった。 雨は、止まない。 たぶんもう、ずっと止まない。 「お前にとっては地獄の始まりだな」 心なんて―――伴わなくてもいい。 ただ身体だけ―――俺のところに堕ちればいい。 堕ちるまで、壊して噛み砕いて、犯し続けてやる。 我ながら歪んだ感情に笑いが出て、そっと遥に口づけた。 そして雨音を聞きながら遥の耳に唇を寄せて。 『―――』 たぶん、本人には一生言うことのない、言葉を囁いた。 ***第一部・了***

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